社会|2025年10月7日掲載
歯科技工士を中心に約70名が秋田に参集
秋田一水会、特別例会「AKITA TECHNICIANS MEETING」を開催

さる10月5日(日)、秋田市文化創造館(秋田県)において、秋田県のスタディグループである一水会(鈴木克典会長)による特別例会「AKITA TECHNICIANS MEETING」が開催され、約70名が参集した。
一水会は歯科医師と歯科技工士がともに学ぶスタディグループであり、以前から「collaborations」と題して、歯科医師と歯科技工士がコンビで登壇するオープンセミナーが開催されていたが、今回は歯科技工士演者のみによる特別例会が開催されることになった。今回のプログラムはDenture Session、Digital Session、Esthetic Sessionの3つのセッションで構成されており、7名が講演を行った。
Denture Session
最初に登壇したのは、「使える義歯」と題して講演を行った進藤 翼氏(歯科技工士、LIBRA DENTAL LAB)。口腔内でワンピースキャストパーシャルデンチャーを機能させるためのポイントについて、製作手順を追いながら解説した。
次に登壇したのは、「デンチャースペース義歯の臨床」と題して講演を行った佐々木順也氏(歯科技工士、サブラトリー)。全国訪問歯科研究会(加藤塾)を発足させた故・加藤武彦氏が考案したデンチャースペース義歯の考え方を解説した。
Denture Sessionの最後に登壇したのは、「リジッドサポートRPDの再考~ジルコニアで実現する新たなパーシャルパラレルミリング~」と題して講演を行った坂本隆憲氏(歯科技工士、Luminous Dental Labo)。自身が製作するパーシャルパラレルミリングのパーシャルデンチャーについて、また、従来はメタルセラミックスで製作していた支台装置をモノリシックジルコニアクラウンで製作する取り組みについて解説した。
Digital Session
最初に登壇したのは、「デジタル化の“恩恵”と“現実”」と題して講演を行った井汲 建(歯科技工士、シケン)。一水会との出会いを振り返りながら、歯科技工士におけるデジタル化が進んだことで可能になったこと、そして、現状でのデジタル化の限界を示したうえで、デジタルとアナログをミックスすることが現在のベターな選択肢であると述べた。
次に登壇したのは、「~Ecstatic Implant dentistry~ A new concept for prosthetic design」と題して講演を行った一柳通宣氏(歯科技工士、デンテックインターナショナル)。ボーンアンカードブリッジのフレームデザインの変遷を紹介し、インプラント技工を成功させるためのポイントについて、自社で開発した製品を絡めて解説した。
Esthetic Session
最初に登壇したのは、「Treatment Planning」と題して講演を行った佐々木祐幸氏(歯科技工士、HERO Smile Dent Lab)。一水会に所属する歯科医師である佐藤洋司氏(秋田県開業)が担当医を務めているDenture Sessionで登壇した進藤氏の治療において行った4つのパターンの診断用ワックスアップについて、それぞれの意図を解説した。
最後に登壇したのは。「Evolution of Shade Matching」と題して講演を行った菅野雅人氏(歯科技工士、miyabi)。セラミッククラウンの色合わせ症例について、感覚のみで行っていた時期から、グレーカードを使用して画像合成試適を行っていた時期を経て、現在はmatisseシステムのAIサポートも活用して製作しているという自身の変遷を解説した。
各セッションの講演後には、十分なディスカッション時間が設けられており、会場からの質問に対して活発なディスカッションが行われた。一水会では、今後も歯科医師と歯科技工士がともに活躍できる講演会を企画したいとのことであり、今後の動向も期待したい。