社会|2025年10月7日掲載
歯髄再生治療について活発な議論が交わされる
第4回歯髄再生医療研究会が開催
さる10月5日(日)、国際くらしの医療館・神戸(兵庫県)において、第4回歯髄再生医療研究会(一般社団法人歯科再生医療協会主催、中島美砂子代表理事)が開催された。
歯科再生医療協会は、「歯科分野での再生医療の普及を通して、健康長寿社会の実現に貢献する」ことを目的に2022年5月に発足。当日は、オープニングリマークとして、まず中島氏(兵庫県開業)が「歯髄再生治療の全体症例のまとめ」と題して登壇した。現在、歯髄再生治療の臨床実績が150例を超え、その有効性と安全性は確かめられてきたが、技術的な課題や周知方法といった解決すべき点もあるとしたうえで、「お互いの経験や疑問を率直に語り合い、活発な意見交換を重ねることで、より良い治療法の確立につなげていきたい」と述べた。
その後、歯髄再生治療を臨床応用している4名の演者による発表が行われた。演題・演者を以下に示す。
「歯髄再生治療における新たな臨床的視点」松木良介氏(福岡県開業)
「自由診療としての歯髄再生治療を考える~歯科医療の新たな可能性を探る~」楳津徳弘氏(東京都開業)
「歯髄再生治療における根管内石灰化物発現と細菌由来歯髄壊死との関係性」吉橋典章氏(東京都開業)
「根尖病変を伴う症例における歯髄再生治療の移植タイミングと成功率向上のポイント」田中宏幸氏(愛知県開業)
いずれの演者も、自身が行った歯髄再生治療の症例を提示し、その可能性と課題などについて共有がなされた。
最後に総合討論が行われ、「根管内の除菌方法は?」「パーフォレーションした歯にどう移植するか?」「根尖部拡大号数によって成功率に違いはあるのか?」「歯髄再生治療について患者にどう周知していくべきか?」などさまざまな質問に対し活発な議論が交わされた。