学会|2025年10月7日掲載
「子どもの健康は胎児期から始まる~小児歯科からできること~」をテーマに
日本小児歯科学会 第40回関東地方会大会・総会を開催
さる10月5日(日)、タワーホール船堀(東京都)において、日本小児歯科学会 第40回関東地方会大会・総会(藤岡万里大会長、浜野美幸会長)が「子どもの健康は胎児期から始まる~小児歯科からできること~」をテーマに開催された。
冒頭行われた基調講演では、船津敬弘氏(昭和医科大学歯学部小児成育歯科学講座教授)が「親子と育む小児歯科診療 ~子どもの成長に合わせた対応~」と題して講演した。まず、15歳未満の人口数や主訴、診療形態、親子関係などの違いを、約30年前と現在とで比較。現在では、定期受診やホームケアが習慣化されてきているが、子どもの口腔の健康に対する保護者の関心の高まりから親の過剰な介入も増えてきている。それにより子どもとのラポール形成が遅れたり、子どもの自立を妨げてしまうなど、さまざまな影響を与えている可能性もある。そのため、子どもだけでなく保護者の協力を得て連携し、子どもの健全な口腔の育成につなげていく必要があるとした。
続いて行われた本会講演では、「加速化する少子化の中での周産期医療の課題〜こころもみる~」の演題で、笠井靖代氏(日本赤十字社医療センター第二産婦人科部長)が講演。妊娠・出産・育児を取り巻く課題として、日本の2024年の出生数(686,061人)や、生殖補助医療による妊娠の現状(約10人に1人)、母乳育児の減少、周産期における妊産婦や父親のうつなどを提示した。そのうえで母乳育児の利点や親のメンタルヘルスに関する氏らの取り組みなどを紹介した。最後に、周産期医療においては利用者主体の支援をしていくことが重要であるとした。
このほか、認定歯科衛生士研修セミナー、臨床講演、ランチョンセミナー、企業セミナー、ハンズオンセミナー、ポスター発表、企業展示などが行われた。さらに閉会式の後には、40回大会を記念した記念祝賀会が催され、40回の節目にふさわしく、活気に満ちたまま閉会となった。
次回の第41回大会は、きたる2026年10月4日(日)、館林市文化会館カルピスホール(群馬県)において、冨永真澄大会長(群馬県開業)のもと開催予定。