社会|2026年3月27日掲載

星 嵩氏が「ヨーロッパ歯周病連盟(EFP)診療ガイドラインを臨床にどう活かすか」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第84回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第84回WEBINARを開催

 さる3月25日(水)、星 嵩氏(新潟県開業)によるWEBINAR #84「ヨーロッパ歯周病連盟(EFP)診療ガイドラインを臨床にどう活かすか」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは、演者らの著書『歯周炎ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲ診療ガイドライン』の内容をベースに、「歯周炎ステージ分類」「ヨーロッパ歯周病連盟の診療ガイドラインとは」「診療ガイドラインの臨床活用」「歯周治療のゴール」の4本柱で構成された。

 まず歯周炎ステージ分類および診療ガイドラインの概要について説明を行った。ステージⅠ・Ⅱは一般開業医や歯科衛生士でも対応可能である一方、ステージⅢ・Ⅳでは専門的対応が求められると整理し、本書ではステージⅣを除く、ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲを解説した内容であることを紹介した。続いてヨーロッパ歯周病連盟の診療ガイドライン(以下、EFPガイドライン)の特徴として、設問に対する答えに対して「推奨の強さ」と「コンセンサスの強さ」で示される点を解説。治療ステップは(1)口腔衛生指導、(2)非外科的治療、(3)外科治療、(4)SPC(supportive periodontal care)という段階的アプローチで構成され、どのステージ治療においてもこれらを順守して行うことが重要であることを述べた。

 EFPガイドラインの臨床活用では、歯ブラシは患者の嗜好をふまえて選択し、歯間ブラシ併用が推奨される一方、電動歯ブラシは中立的評価に留まる点を紹介。また、クロルヘキシジンなどの補助療法は一定の推奨があるものの、日本では使用条件が異なるため解釈に注意が必要とした。

 外科治療と非外科的治療の選択基準では、再評価時のポケット深さを基準に選択され、4~5mmでは非外科、6mm以上では外科が1つの目安になると話した。ただし絶対的基準ではなく、患者背景や炎症状態をふまえた判断が重要であり、まず非外科的治療で環境改善を図ることを基本とすると述べた。

 根分岐部病変についても解説を行い、根分岐部病変という理由だけでは抜歯の理由とはならず、適切な診断と歯周組織再生療法などの介入により改善が可能とされると話した。

 これらの臨床活用に関して、適宜参考症例を提示しており、EFPガイドラインの情報だけでなく、星氏の臨床実感も交えて解説が行われ、一般開業医にとって臨床的有用性の高い内容であった。

 最後に歯周治療のゴールについて、単純なポケット値ではなく「深いポケットと出血のコントロール」を重視すべきとし、完全な数値達成に固執せず、SPCによる長期管理の重要性を示した。

 本セミナーは、EFPガイドラインを日常臨床に落とし込む視点を提示するものであり、若手からベテランまで幅広い臨床家に示唆を与える内容となった。

 本講演の振り返り配信は、2026年7月25日(土)まで新規購入が可能である。なお、次回のWEBINAR #85は、南舘崇夫氏(福岡県開業)を招聘し、「矯正歯科医の“目”はどこまで置き換えられるか」と題して、4月1日(水)から7月1日(水)までの期間、限定配信される。今回の振り返り配信、次回WEBINARのお申し込みはいずれもこちらから。

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