社会|2026年6月1日掲載
「歯周治療におけるエビデンスと臨床知見」をテーマに
日本臨床歯周病学会関東支部、第101回合同研修会・第45回歯科衛生士セミナーを開催
さる5月31日(日)、浅草橋ヒューリックホールおよびヒューリックカンファレンス(東京都)において、日本臨床歯周病学会関東支部第101回教育研修会・第45回歯科衛生士セミナー合同研修会(雨宮 啓支部長)が開催され、現地には400名以上が参加し、盛会となった。
今回の教育研修会では、会員発表9題(歯科医師5題、歯科衛生士4題)と文献委員会発表、特別講演、歯科衛生士セッション、歯科技工士セッション、そして学生プログラムが行われた。
午前の歯科医師会員発表では、内藤貴大氏(埼玉県勤務)、北條弘明氏(東京都開業)、村上侑氏(東京都勤務)、井畑匡人氏(埼玉県開業)、駒ヶ嶺大輔氏(神奈川県開業)が重度歯周炎やエンドペリオ病変、ガミースマイルなどについて発表した。なかでも駒ヶ嶺氏は、歯周組織再生療法の適応や根分岐部病変の対応方法について提示したうえで、多数歯におよぶ重度歯周炎(歯周病ステージ3・グレード4)の若年者に歯周組織再生療法や歯牙移植を行った症例を供覧。重度の若年者のケースにおいては将来的な治療の選択肢も考慮し対応することが重要であるとした。
また、午後の特別講演では、斎田寛之氏(埼玉県開業)と奈良嘉峰氏(神奈川県開業)の座長のもと、まず小川雄大氏(東京都開業)が「歯周組織再建の新たな地平―天然歯周囲およびインプラント周囲の硬・軟組織マネージメント―」と題して登壇。歯周組織再生療法を成功に導くためのポイントについて解説するなかで、とくに歯周基本治療の重要性を強調。また、氏が考案したフラップデザインであるDEPPT(Double Entire Papilla Preservation Technique)の実際を動画とともに解説した。
つづいて、尾野 誠氏(京都府勤務)が「審美性に配慮した歯周形成外科アプローチ」と題して登壇。患者の口腔関連のQOLの有効な評価方法とされるOHIP-14の臨床的な有用性を紹介したほか、「守破離」の考え方とともに根面被覆術の自身の変遷を解説。なかでも、複数歯に及ぶ歯肉退縮へのアプローチとして氏が考案した新手法も紹介した。
最後に、座長と小川氏、尾野氏によるディスカッションが行われ、術式に関する細かな内容から患者説明まで多岐にわたる質問に両氏はていねいに回答するなど、熱気に包まれたまま終了した。
同じく午後に行われた歯科衛生士セッションでは、「明日からの臨床が変わる! ペリオ古典文献100選 〜これであなたもペリオマスター〜」と題して、杉田龍士郎氏(千葉県勤務)、内藤和美氏(フリーランス歯科衛生士)が登壇。杉田氏は自院内で歯周治療の考え方を共有し、歯科医師も歯科衛生士も共通の認識をもてるようにしている。本講演では、歯周治療を行ううえでは歯科医師も歯科衛生士も共通の認識を持つことが大事であるとして、古典的文献を複数挙げたほか、症例を交えながら歯周治療や予防に対する考え方を示した。また歯科衛生士の役割についてもふれ、口腔内のクリーニングだけでなく、患者の健康を守るという意識をもって日常臨床に臨んでほしいと述べた。