社会|2026年6月5日掲載
クインテッセンス出版株式会社、第88回WEBINARを開催
谷口裕重氏、多田 瑛氏が「診療室でできる摂食嚥下リハの全貌! ~知らないと損する“実践のコツ”~」をテーマにWeb講演
さる6月4日(木)、谷口裕重氏および多田 瑛氏(いずれも朝日大学)によるWEBINAR #88「診療室でできる摂食嚥下リハの全貌! ~知らないと損する“実践のコツ”~」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは、今年3月に出版された演者らの著書『摂食嚥下リハビリテーション読本』(小社刊)の内容をベースに行われた。
まず谷口氏より、歯科医療が迎えている変革期と、その背景にある「リハ栄養」の概念について説明された。2025年から始まった「リハ栄養3.0」は、身体面や栄養面だけでなく、心理面、社会面、スピリチュアル(生きがい)面までを含む包括的なウェルビーイングを重視するものである。歯科は口腔機能をつうじて、患者の“精神の健康寿命”や“幸福(咬福)寿命”を延ばす鍵を握っていると強調された。
次に、摂食嚥下リハビリテーションを喉や飲み込みだけの問題として捉える従来の見方を改め、歯科の専門領域である“口腔”を基盤として捉え直す重要性が説明された。近年は口腔を起点とした摂食嚥下障害の患者の増加がみられるが、谷口氏は歯科による早期発見と早期介入によって“予防”が可能であると指摘した。適切な義歯の製作や口腔機能管理が、単に食べる機能を回復させるだけでなく、患者の“食欲”の回復にもつながり、生活の質の向上に寄与した症例が動画とともに紹介された。
続いて多田氏より、摂食嚥下リハビリテーションを始めるための実践ツールとして、著書の付録を活用した臨床フローが紹介された。多田氏は、歯科医院における摂食嚥下リハビリテーション導入の障壁は、知識不足ではなく、現場で迷わず行動するための実践ツールの不足にあると指摘した。付録の18枚のシートには、院内啓発ポスターをはじめ、評価用紙や同意書、スタッフマニュアル、患者説明シートなど、明日からの臨床で活用できる資料が網羅されている。また、訪問診療における嚥下内視鏡検査や舌接触補助床の保険算定についても解説された。
最後に谷口氏は、口腔機能管理と摂食嚥下リハビリテーションによる連続した支援が、患者の“食欲”と“食生活”を守り、最終的には“咬福寿命”の延伸につながると述べた。そして、医療者としてより多くの人に美味しく安全な食を提供できるようにしたいと語り、講演を締めくくった。
本講演の振り返り配信は、2026年9月4日(金)まで新規購入が可能である。なお、次回のWEBINAR #89は、佐藤浩史氏(東京都開業)を招聘し、「保険診療で活かすIOS! ~補綴臨床から拡がるデジタル活用~」と題して、きたる6月11日(木)から9月11日(金)までの期間、限定配信される。今回の振り返り配信、次回WEBINARのお申し込みはいずれもこちらから。