学会|2026年6月22日掲載
「ペリオコタン~人生100年時代の治療戦略~」をメインテーマに
日本臨床歯周病学会第44回年次大会が開催
さる6月20日(土)、21日(日)の両日、札幌コンベンションセンター(北海道)において、日本臨床歯周病学会第44回年次大会(鳥井優樹大会長、石谷昇司理事長)が、「ペリオコタン~人生100年時代の治療戦略~」をテーマに開催された。
2日間にわたり、シンポジウム、特別講演、歯科医師および歯科衛生士ケースプレゼンテーション、インターナショナルセッション、TAP姉妹提携20周年記念特別講演、ポスター発表、教育講演、モーニングセミナー、ランチョンセミナーなど、多数のプログラムが行われた。
1日目のシンポジウム1では、「人生100年時代。ペリオドンティストが描く治療戦略」と題して、大月基弘氏(大阪府開業)、工藤 求氏(東京都開業)、岩野義弘氏(東京都開業)らが講演を行った。なかでも岩野氏は、「健康寿命の延伸に寄与する歯周治療の重要性」と題して、人生100年時代を迎えつつある本邦において、健康寿命の延伸の重要性について話した。近年では、予防意識の高まりや治療技術の進歩にともない、多くの歯が残存するようになったが、それによってセルフケア能力の低下や残存歯がかえって咀嚼機能および全身状態に悪影響を及ぼすことも少なくないと述べ、今後は“歯を残すこと”そのものに加え、“どのように、どの状態で歯を残すか”という視点がより重要になると語った。岩野氏は、健康寿命延伸に向けて重要な要素として“咬合が確立された口腔内状態を維持すること”“歯周病原細菌感染のコントロールによる全身疾患リスクを低減させること”の2点を挙げて、自身の症例とともに解説を行った。
2日目の支部一推し歯科医師セッションでは、各支部の代表者である舟山一成氏(北海道開業、北海道支部)、中田 穰氏(広島県開業、中国四国支部)、渡邉泰斗氏(日本大学、関東支部)、丸山俊正氏(福岡県開業、九州支部)、福場駿介氏(東京科学大学、関東支部)、白石大祐氏(石川県開業、中部支部)、猪狩寛晶氏(福島県開業、東北支部)、萩原 誠氏(兵庫県勤務、関西支部)らが講演を行った。なかでも福場氏は「歯の保存から始まる歯科臨床」と題して発表した。福場氏は、治療の確実性や長期安定性を優先するあまり治療計画がオーバートリートメント傾向になることに警鐘を鳴らし、歯を保存することの意義、将来を見据えた治療方針について講演を行った。ただし、歯を保存するにあたって、術者の都合によっていたずらに時間を費やすことは避けるべきであり、その妥当性を十分に吟味することの重要性も述べた。これらをふまえて、従来ではホープレスと判断されてきた歯の保存に関する症例を複数提示し、最後に自身で考案された新しい再植術“ATR-SIT(apical tooth replantation with surgical intrusion technique)”について紹介した。
次回の第45回年次大会は、きたる2027年6月19日(土)、20日(日)の2日間にわたり、名古屋国際会議場(愛知県)において開催予定である。