学会|2026年9月8日掲載
国立京都国際会館を舞台に、約800名が参集する盛会に
「第10回 日本臨床歯科学会合同例会 in 京都」開催
さる9月5日(土)、6日(日)の両日、国立京都国際会館(京都府)において第10回 日本臨床歯科学会合同例会 in 京都(石川清之大会長、山﨑長郎理事長)が開催され、全国各地、および韓国から約800名の参加者を集める盛会となった。
2006年に第1回が北海道で開催されて以来、コロナ禍の時期を除き各支部が隔年で開催してきた日本臨床歯科学会の合同例会。今回は第10回を記念する大会ということで、かねてから注目を集めていた。会場では2日間にわたり、全国12支部から選出された演者による会員発表15題ならびに特別講演が行われた。会員発表の演題および演者は以下のとおり(登壇順)。
(1)「下顎Three Incisorsに対する上顎インプラント補綴の有用性」(後藤長樹氏、北陸支部)
(2)「咬合崩壊を有する患者に対してスプリント療法にて咬合再構成を行った症例」(門脇研司氏、東北支部)
(3)「Longevityが予知できる戦略的欠損補綴治療」(深野秀明氏、大阪支部)
(4)「顔貌および機能評価に基づき咬合高径を是正し咬合再構成を行った一症例」(溝渕隆宏氏、四国支部)
(5)「骨格性3級患者に対し、包括的歯科治療を行った1症例」(平田 肇氏、北海道支部)
(6)「重度咬耗患者に対する抜歯部位を考慮した咬合再構成」(池岡 岳氏、京都支部)
(7)「顎位の偏位を伴う咬合不調和症例に対し補綴治療を行なった1症例」(吉田祥子氏、福岡支部)
(8)「過蓋咬合を伴う咬合崩壊を呈する患者に対して咬合再構成を行った一症例」(杉山達也氏、東京支部)
(9)「重度酸蝕症患者に対し咬合再構成に取り組んだ一症例」(添島賢一氏、熊本支部)
(10)「臼歯高度骨欠損に挑む ―歯周再生療法・GBR併用症例―」(櫻井博之氏、広島支部)
(11)「機能性・審美性を考慮したSoft & Hard Tissue Management」(町田真吾氏、東京支部)
(12)「歯周炎StageIV患者に対するインプラント治療 ~デジタルソリューションによる包括的治療戦略について」(木村正人氏、福岡支部)
(13)「先天性欠損症例への対応(非抜歯矯正とインプラントを用いた咬合再構成症例)」(秋山博道氏、京都支部)
(14)「象牙質形成不全症患者の中長期的予後を見据えて咬合再構成を行った一症例」(古橋広樹氏、名古屋支部)
(15)「ComprehensiveTreatmentwithaDigitalWorkflow inaComplexCase」(粟谷英信氏、大阪支部)
各演題では、日本臨床歯科学会がこれまでに旨としてきた綿密な資料収集のもと、検査・診断、治療計画に基づき、矯正歯科治療やインプラント治療、補綴治療などを組み合わせた包括的なアプローチにより咬合再構成を行った症例などが多数報告された。また、近年のデジタルデンティストリーの発展を受け、治療の多くのステージにデジタル技術が応用されている点も見て取れた。そして、各発表後の質疑応答では、本学会の特徴のひとつともいえる活発なディスカッションが展開された。
また2日目には会員発表に続き、特別講演として「Dental Preparation for Healthy Aging」(Dr. Wonjung Kim〔韓国開業〕)が行われた。Dr. Kimは、2003年に本多正明氏(大阪府開業、日本臨床歯科学会副理事長)と伊藤雄策氏(大阪府開業、日本臨床歯科学会常任理事)によって韓国の臨床家のために設立されたスタディグループ「SKCD」(Society of Korean Clinical Dentistry)の代表として登壇。韓国においても進む社会の高齢化を受け、歯科治療の目的が機能や審美の回復から、生涯にわたるメインテナンスや将来の再介入を見据えたものへと変化していることについて4つの症例を供覧しつつ示した。さらに今回は、特別講演として細山 愃氏(新潟支部)も「インプラントに挑み続けて」と題して登壇。1985年の新潟支部の設立に携わるとともに、日本国内における歯科インプラントの黎明期から臨床応用を続けてきた細山氏にしか語ることのできない学びの軌跡と挑戦の歴史、そして今後を担う会員へのエールが示された。
なお、本合同例会では毎回、特に優秀な発表に対してアワードが贈られているが、今回は開催地にちなんだ「京都賞」が町田氏と杉山氏に贈られた。そして恒例の日本臨床歯科学会アワードには、1位に粟谷氏、2位に古橋氏、3位に木村氏が選ばれた。
さらに今回は、山﨑理事長と本多副理事長(大阪支部)が本年度をもって勇退することを受け、次期理事長を土屋賢司氏(東京支部、現・日本臨床歯科学会専務理事)が、次期副理事長を鈴木真名氏(東京支部、現・日本臨床歯科学会理事)がそれぞれ務めることも発表された。
1997年の京都議定書の採択をはじめ、さまざまな国際会議が行われてきた由緒ある会場を舞台に行われた今回の合同例会。大会長以下、京都支部メンバーの努力により大団円を迎えた。なお、次回の第11回合同例会は北海道支部主管のもと、2028年に開催予定とのこと。