学会|2026年10月21日掲載
「100年の煌めき、未来への飛翔」をテーマに
創立100周年記念 第85回日本矯正歯科学会学術大会・第6回国際会議開催
さる10月13日(火)から16日(金)の4日間、パシフィコ横浜(神奈川県)において、創立100周年記念 第85回日本矯正歯科学会学術大会・第6回国際会議(西井 康大会長、新井一仁理事長)が開催され、5,570名が参集した。
1926年の創立から100周年を迎えた本大会では、「100年の煌めき、未来への飛翔」をテーマに、創立100周年記念講演をはじめ、教育講演2題、海外特別講演5題、国内特別講演1題、シンポジウム11題のほか、日韓ジョイントシンポジウムや日本学術会議公開シンポジウム、ワークショップ、一般口演、学術・症例展示など、多彩なプログラムが展開された。
そのうち創立100周年記念講演では、新井氏(日本歯科大学)が「1926年、あの夏の日の未来」と題して登壇した。講演ではわが国の矯正歯科学の歩みを振り返り、藤代眞次氏の帰国と講義を契機とする学会創立の経緯から、その後の発展までを紹介した。100年前に集まった17名の研究者の志が、世代を超えて今日へと受け継がれてきたことを語った。
教育講演にはNikolaos Pandis氏(スイス・ベルン大学)、西村一郎氏(米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校)がそれぞれ講演した。また、海外特別講演では、Letizia Perillo氏(イタリア・カンパニア大学ルイジ・ヴァンヴィテッリ)、Johnny Joung-Lin Liaw氏(台湾・国立台湾大学病院)、Valentina Lanteri氏(イタリア・モデナ・レッジョ・エミリア大学)、Glenn T. Sameshima氏(米国・南カリフォルニア大学)、Kee-Joon Lee氏(韓国・延世大学校)の5名が講演し、国際的な視点から研究・臨床の知見が紹介された。
11題がプログラムされたシンポジウムでは、矯正歯科の基礎から臨床まで幅広い課題が取り上げられた。千葉伸太郎氏(国際医療福祉大学)、小野卓史氏(東京科学大学)、谷本幸太郎氏(広島大学)は、呼吸・顎関節・脳機能と口腔機能との接点について、また菅原圭亮氏、立木千恵氏(ともに東京歯科大学)、芳賀秀郷氏(昭和医科大学)は、顎変形症の診断と治療戦略について論じた。Christoph J. Roser氏(ドイツ・ハイデルベルク大学病院)、瀬尾拡史氏(順天堂大学)、Juan Martin Palomo氏(米国・ケース・ウェスタン・リザーブ大学)は、DXによる矯正歯科治療の可能性を紹介した。さらに丹原 惇氏(新潟大学)、横関雅彦氏(神奈川県開業)、大賀泰彦氏(鹿児島県開業)は、歯科矯正用アンカースクリューについて再考する論考を披露した。さらに、槇 宏太郎氏(昭和医科大学)、吉田教明氏(長崎大学)、窪田正宏氏(石川県開業)がアライナー型矯正装置について、各スタディーグループからがⅡ級1類ハイアングル症例への治療方略について講演された。
このほか、矯正歯科治療の長期安定、インターディシプリナリー治療における矯正歯科の役割、口唇口蓋裂の診断と治療戦略、矯正歯科を取り巻く医療政策が取り上げられた。
一方、骨研究を扱うシンポジウムでは、松永 智氏(東京歯科大学)、塚崎雅之氏(昭和医科大学)、松下祐樹氏(長崎大学)が登壇し、基礎研究の知見が紹介された。100周年学術研究プロジェクトでは、大学間の研究連携について報告。日韓ジョイントシンポジウムでは、玉置幸雄氏(福岡歯科大学)、渡辺八十夫氏(広島県開業)、Sung-Hoon Lim氏(韓国・朝鮮大学校)、Kwanghyo Choi氏(韓国開業)が登壇した。
また、専門医研修プログラムに関するワークショップや、日本学術会議公開シンポジウムなども開催され、教育体制からデジタル・AIの活用まで、多角的な議論が行われた。
最終日には、石黒 浩氏(大阪大学)による国内特別講演、森山啓司氏(東京科学大学)によるWFO Regional Award of Merit受賞記念講演が行われ、100周年の節目に矯正歯科学の将来を展望する大会となった。
次回の第86回日本矯正歯科学会学術大会は、きたる2027年11月23日(火)から25日(木)の3日間、神戸国際展示場(兵庫県)において開催予定である。