2021年4月15日掲載
日本酒「SAKE」の世界へようこそ
美酒へのいざない (第3話)
第3話:現代の日本酒ブームの始まり
左党を魅了する大吟醸の歴史と日本酒の価値
さて、前回からの話の続きです。高精米を施した米で醸す大吟醸にはそのような歴史があり、伝統的な杜氏たちは一年の集大成として、全国新酒鑑評会の出品用に大吟醸を醸すという取り組みが現在でも行われています。
ただし、出品用の大吟醸を造るのは非常に神経を研ぎ澄ます行為であり、よって造られる量も出品用の僅かなもので一般のマーケットに流通するということは皆無でした。それが消費の多様化とともに、独自色を打ち出したい流通の情熱によって1980年代頃からポツポツと普及し出します。一般の飲み手においても「大吟醸は確実に美味しい」という価値観が定着してきたなかで革命的な出来事が起こります。1992年、山形県の日本酒「十四代」(高木酒造)のセンセーショナルな登場です。
「十四代」は大吟醸ではなく、通常の市販酒レベルの価格帯で「大吟醸のような」日本酒を世に送り出してきたのです。山形県の小さな蔵元に飲み手が殺到。小売価格の数倍ものプレミアが付くという事態になってしまいました。
そしてその事態に全国の小規模蔵元も触発され、各地で高品質な市販酒が造られるようになりました。かくゆう私もおおいに刺激をいただいた者の一人です(「十四代」蔵元は大学の先輩でもあります)。
現在では「大吟醸のような」価値観ではない高品質も誕生しています。つまり、高級な大吟醸でなくても美味しさを楽しめるようになりました。日本酒の飲み手である左党にはうれしい時代です。
それでも、私が思うに、日本酒における高品質の大きな価値観の一つに今でも大吟醸、つまり高精米した米を用いるものはあります。支持を受ける市販酒も「大吟醸のよう」だから支持を受けたりもします。そして蔵元が心血を注いで醸す真の大吟醸にはこれまでのような歴史と価値があり、「大吟醸のよう」とは違う、正真正銘の品質がそこにはあります。ただし、大吟醸を楽しむには少し注意が必要です。
大吟醸を楽しむコツとワンポイントアドバイス
まず、大吟醸はとかく上品な甘味を有します。わかりやすい甘味ではなく上品かつ繊細な甘味です。ですから飲酒シーンにおいて、お奨めの1つとして、早めのうちに飲むことをオススメ致します。後から飲むとその上品さがわかりにくく、かつ重く感じるかもしれないからです。ぜひその食事の始まりに、大輪の華を飾るような心地で大吟醸から始めてみてください。さらに、大吟醸は通常の日本酒がアルコール度数15~16%であるのに比べて17~18%と高アルコールであるのが大半。飲酒シーンにもよりますが、前述にも加えて例えれば和食の会席で始めの先付けに合わせて少量をいただくのが良いでしょう。食と酒の双方の量的なバランスも取れるはずです。このあたりは、フレンチのコースにおいてメインに合わせてグランヴァンを楽しむのとはちょっと趣が異なります。もちろん大吟醸によってもその酒質によって合わせ方は千差万別ですが。映画にたとえると、大吟醸もグランヴァンもザックリ言ってハリウッド主役級の俳優です。実際の飲酒シーンでそればかりでは余程体力がある方々でないと疲れてしまうものですが、メリハリがある方が美味しく長く楽しめます。
最後になりますが、逆に、当蔵では高精米に力を入れつつ、低精米、皆様にたくさん飲んでいただくべく経済的にも最大限に善処した「あたごのまつ 鮮烈辛口」というアイテムもリリースしています。第一話でご紹介しました「零響」に比べると、約1/500の価格差がありますが味わいはなかなかイケます(宣伝です 笑)。街場でも見かけやすいと思いますので、その際はお手に取っていただけますと幸いです。2018年に開催された「ブリュッセル国際コンクール」の日本酒部門「SAKE selection 2018」本醸造部門で最高賞を受賞しました。
さて、前回からの話の続きです。高精米を施した米で醸す大吟醸にはそのような歴史があり、伝統的な杜氏たちは一年の集大成として、全国新酒鑑評会の出品用に大吟醸を醸すという取り組みが現在でも行われています。
ただし、出品用の大吟醸を造るのは非常に神経を研ぎ澄ます行為であり、よって造られる量も出品用の僅かなもので一般のマーケットに流通するということは皆無でした。それが消費の多様化とともに、独自色を打ち出したい流通の情熱によって1980年代頃からポツポツと普及し出します。一般の飲み手においても「大吟醸は確実に美味しい」という価値観が定着してきたなかで革命的な出来事が起こります。1992年、山形県の日本酒「十四代」(高木酒造)のセンセーショナルな登場です。
「十四代」は大吟醸ではなく、通常の市販酒レベルの価格帯で「大吟醸のような」日本酒を世に送り出してきたのです。山形県の小さな蔵元に飲み手が殺到。小売価格の数倍ものプレミアが付くという事態になってしまいました。
そしてその事態に全国の小規模蔵元も触発され、各地で高品質な市販酒が造られるようになりました。かくゆう私もおおいに刺激をいただいた者の一人です(「十四代」蔵元は大学の先輩でもあります)。
現在では「大吟醸のような」価値観ではない高品質も誕生しています。つまり、高級な大吟醸でなくても美味しさを楽しめるようになりました。日本酒の飲み手である左党にはうれしい時代です。
それでも、私が思うに、日本酒における高品質の大きな価値観の一つに今でも大吟醸、つまり高精米した米を用いるものはあります。支持を受ける市販酒も「大吟醸のよう」だから支持を受けたりもします。そして蔵元が心血を注いで醸す真の大吟醸にはこれまでのような歴史と価値があり、「大吟醸のよう」とは違う、正真正銘の品質がそこにはあります。ただし、大吟醸を楽しむには少し注意が必要です。
大吟醸を楽しむコツとワンポイントアドバイス
まず、大吟醸はとかく上品な甘味を有します。わかりやすい甘味ではなく上品かつ繊細な甘味です。ですから飲酒シーンにおいて、お奨めの1つとして、早めのうちに飲むことをオススメ致します。後から飲むとその上品さがわかりにくく、かつ重く感じるかもしれないからです。ぜひその食事の始まりに、大輪の華を飾るような心地で大吟醸から始めてみてください。さらに、大吟醸は通常の日本酒がアルコール度数15~16%であるのに比べて17~18%と高アルコールであるのが大半。飲酒シーンにもよりますが、前述にも加えて例えれば和食の会席で始めの先付けに合わせて少量をいただくのが良いでしょう。食と酒の双方の量的なバランスも取れるはずです。このあたりは、フレンチのコースにおいてメインに合わせてグランヴァンを楽しむのとはちょっと趣が異なります。もちろん大吟醸によってもその酒質によって合わせ方は千差万別ですが。映画にたとえると、大吟醸もグランヴァンもザックリ言ってハリウッド主役級の俳優です。実際の飲酒シーンでそればかりでは余程体力がある方々でないと疲れてしまうものですが、メリハリがある方が美味しく長く楽しめます。
最後になりますが、逆に、当蔵では高精米に力を入れつつ、低精米、皆様にたくさん飲んでいただくべく経済的にも最大限に善処した「あたごのまつ 鮮烈辛口」というアイテムもリリースしています。第一話でご紹介しました「零響」に比べると、約1/500の価格差がありますが味わいはなかなかイケます(宣伝です 笑)。街場でも見かけやすいと思いますので、その際はお手に取っていただけますと幸いです。2018年に開催された「ブリュッセル国際コンクール」の日本酒部門「SAKE selection 2018」本醸造部門で最高賞を受賞しました。