Web限定 2021年4月15日掲載 日本酒「SAKE」の世界へようこそ 美酒へのいざない (第3話) 後で読む 第3話:現代の日本酒ブームの始まり 左党を魅了する大吟醸の歴史と日本酒の価値 さて、前回からの話の続きです。高精米を施した米で醸す大吟醸にはそのような歴史があり、伝統的な杜氏たちは一年の集大成として、全国新酒鑑評会の出品用に大吟醸を醸すという取り組みが現在でも行われています。 ただし、出品用の大吟醸を造るのは非常に神経を研ぎ澄ます行為であり、よって造られる量も出品用の僅かなもので一般のマーケットに流通するということは皆無でした。それが消費の多様化とともに、独自色を打ち出したい流通の情... 新澤巖夫 にいざわ・いわお 株式会社新澤醸造店 5代目蔵元 1975年宮城県生まれ。東京農業大学農学部醸造学科卒業。大学卒業後、家業である酒造りを継ぐため酒造りを始動。25歳で杜氏に就任。同年に究極の食中酒「伯楽星」を生み出す。「伯楽星」はJAL国際線ビジネスクラス・ファーストクラスに12年連続搭載され続け、ミラノ万博公式酒、2010年・2014年FIFAワールドカップ公式酒になるなど、国内外で注目される。36歳の時に代表取締役に就任。2016年には世界最大の出品数を誇る「SAKE COMPETITION」で純米酒部門世界一を取得するなど、実力蔵へと成長を遂げる。現在は25歳の女性杜氏に製造指揮権を譲り、指導者として幅広く活動。利き酒能力を評価され、毎年SAKE COMPETITIONの審査員を務める。 ※掲載中の情報は紙・誌面掲載時のものです。