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2020年3月号掲載

◆第2回◆ 新天地での挑戦

「縁」と「偶然」がつないだ新天地

 全国の病院の約80% には歯科や口腔外科がありません。そのため、入院患者の口腔内の問題が放置されたまま、さらに劣悪な口腔状態となって高齢者施設や在宅へと居場所が移り変わっていくことも多いとされています。また、総合病院内で歯科は不採算部門になりがちであり、以前から閉鎖や縮小の動きがあることも事実です。しかし、誤嚥性肺炎、糖尿病や認知症など全身疾患と歯科疾患の関連が明らかにされるにつれて、新たに歯科専門職を雇用する病院も出てきています。

 私は大学病院口腔外科在籍中に救命救急センター勤務を経験しました。顔面外傷や顔面熱傷など口腔内に関する知識を要する救急治療や、気管挿管中の患者さんの口腔ケアをとおして、急性期医療の中で歯科専門職が必要とされていることを知りました。他の診療科の医師たちとの症例相談や、全身的な管理を行いながら協働して医療を行ったことが非常に自分の中で充実した経験となり、これをきっかけに病院歯科での勤務を希望するようになりました。その後は、摂食嚥下リハビリテーションやNST(栄養サポートチーム)活動に参加し、病院歯科で必要な知識の習得に努めました。しかし、他の多くの地域と同様に福岡では病院歯科が年々減少しており、なかなか新規の求人はありません。諦めかけたときにお話をいただいたのが八女市の隣にある広川町の姫野病院でした。

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