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2020年10月号掲載

◆第9回◆ 外来診療で印象に残った出来事

最期まで家族と一緒の食卓で同じ食事を口からとれる喜び

 外来診療を開始して1か月ほど経ったある日、院内泌尿器科の医師から急患の診察依頼がありました。前立腺がん(T4N1M1、StageⅣ)の患者さんで、多発骨転移に対して数年前から抗RANKL抗体を毎月投与されていました。

 半年ほど前に右側下顎大臼歯の疼痛があり、近隣の歯科医院を受診したところ、「抜歯適応だが、まわりの骨もすでに悪くなっているのでどうしようもないです。抜いても痛みが続きますよ」というような説明を受けたとのことでした。当日すぐに抜歯され、抜歯後も疼痛が続いたようです。しかし、患者さんは歯科医師の説明のとおり「骨が悪くなっていてもうどうしようもないんだ」と思い、他院を受診せずにずっと自宅で我慢をしていたそうです。抜歯から2か月後には経口摂取が困難になり、さらにその後、頬部や顎下部の腫脹も出現しました。心配した家族が前立腺がん治療を受けていた当院泌尿器科の担当医に相談し、歯科口腔外科の受診となりました。

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