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2012年7月1日

東京医科歯科大学歯科同窓会講演会「アレルゲンフリートリートメント―開業医にとって必要な知識―」開催

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 さる7月1日(日)、東京医科歯科大学M&Dタワー(東京都)において、医歯大歯科同窓会・学術部主催(浅野正樹会長)の講演会「アレルゲンフリートリートメント―開業医にとって必要な知識―」が、講師に松村光明氏(東京都開業、医歯大歯科アレルギー外来臨床教授)と川本善和氏(東京都開業)を迎え、開催された。

 まず、午前中は松村氏より、アレルギーの分類や誘発過程、同大学歯科アレルギー外来のデータによる性別・年齢等の患者傾向や多い症状、そして歯科治療でアレルゲンになりうるものや歯科用金属修復物の成分、アレルゲンの特定に使用するパッチテスト・血液検査等についての解説があった。基本的にあらゆる歯科材料がアレルギーの原因となりうるため、患者が歯科治療後の難治性の皮膚症状などを訴えた際には、いったん治療を中断し経過をみる、歯科アレルギー外来の受診を勧めるなど、患者の訴えを無視しない姿勢が大切であると強調した。

 午後は、川本氏より、接着と合着の選択基準、審美歯科治療におけるジルコニアセラミックスの活用、ファイバーポストレジンコアを使用する際の注意点など、メタルフリー補綴治療を行ううえで押さえておきたい知識の解説があった。新しいテクニックや材料が次々と世に出てくる昨今であるが、最新の治療がつねにベストの選択となるとは限らないため、患者にとって何が優先すべき事項かよく相談し、以前からある実績のあるものも活かしつつ治療を行うべきだと述べた。

 最後の質疑応答では、歯科金属アレルギーや化学物質過敏症などに関する質問が多数寄せられ、関心の高さが伺われた。