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2012年8月5日

株式会社モリタ、東北More Smiles 応援講演会を開催

「パワーアップ 歯科衛生士力~患者さんの笑顔のために~」をテーマに

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 さる8月5日(日)、福島テルサ(福島県)において、「東北More Smiles 応援講演会」(株式会社モリタ主催)が「パワーアップ 歯科衛生士力~患者さんの笑顔のために~」をテーマに開催された。本会は昨年の東日本大震災で被災した東北地区の歯科衛生士向けに臨床に役立つ情報を提供することで、地域住民の健康支援につなげようという考えのもと企画された。

 本会では、柏井伸子氏(ヒューフレディ・ジャパン)、石原美樹氏(フリーランス)、水木さとみ氏(株式会社エム・エイチ・アイ)の3名の歯科衛生士による講演が行われた。

 まず、柏井氏による「歯科医院における感染管理 これまでとこれから~環境整備・感染管理~」では、患者と作業者の安全を確保するためには、すべての患者との治療において感染の可能性があるとみなす、標準予防策の遵守が何よりも大事だとした。そのうえで、医院での具体的な感染管理対策の方法について解説した。途中、参加者にも滅菌や洗浄方法について正しく実践できているかを考えさせる場面なども見られた。続く石原氏による「診る!考える!診るが変われば臨床が変わる~歯科衛生士の視点から~」では、歯肉・歯・エックス線写真の見方について症例を共覧し、異常がどこにみられるかを参加者への問いかけを交えて説明した。また、診査時に見落としてはいけない点をわかりやすく示し、診査資料を総合的にとらえる力を身につけてほしいとした。最後に登壇した水木氏は、「患者さんを支える衛生士力!~セルフコントロールとコミュニケーションの力!~」と題して講演した。氏は、患者さんとうまく接するためには、自分や相手の感情に巻き込まれずに落ちついて対応するセルフコントロールと、患者さんの話を傾聴し、共感的理解をする姿勢が必要であるとした。自分の経験に基づく同情ではなく、?者さんの世界を共有して何が辛いのか、どう感じているかを一緒に考えていくことで、患者さんの安心感や信頼感につながり、治療に対するモチベーションも自然に上がるというものであった。

 その後の3名によるディスカッションでは、事前に参加者から寄せられた臨床での疑問点に対する質疑応答も行われた。全体を通じて、聴衆も積極的に意見を発する参加型の講演会で、有意義な会となった。