社会|2025年7月8日掲載

海外での活用にともないプログラムも国際化

第6回プレオルソ研究会/プレオルソインターナショナル研究会 in Japan開催

第6回プレオルソ研究会/プレオルソインターナショナル研究会 in Japan開催

 さる7月5日(土)、6日(日)の両日、TODA HALL & CONFERENCE TOKYO(東京都)において、第6回プレオルソ研究会/プレオルソインターナショナル研究会 in Japan(株式会社フォレスト・ワン主催)が開催された。本会はこれまで主催社が製造販売する機能的マウスピース型矯正装置「プレオルソ」の臨床活用およびMFTとの併用について学びあうために「プレオルソ研究会」として講演イベントを行ってきたが、昨年韓国のプレオルソユーザー有志が同装置開発者の大塚 淳氏(岡山県開業)、同研究会フェローの岡藤範正氏(松本歯科大学)を招いて講演会を行ったことをきっかけに「プレオルソインターナショナル研究会」と名称を変更し、日韓共同の講演会として実施したものである。

 講演は、1日目に「その不正咬合の原因はなに? ―歯科と耳鼻咽喉科との境界と連携のポイント―」(吉野智一氏、埼玉県開業)、「機能的矯正装置と機械的矯正装置の組み合わせによる矯正治療の実践」(山本昌宏氏、兵庫県開業)、「Preortho + Myofunctional Therapy(MFT)」(イ・ウンヒ氏、韓国開業)、「乳幼児期における口腔機能育成の重要性」(今枝常晃氏、愛知県開業)、「プレオルソの始まり方と終わり方」(牧野正志氏、千葉県開業)、2日目に「機能的矯正装置のフレームワーク」(佐野哲文氏、富山県開業)、「Achieving MFT effect through pressure changes by the tongue」(イ・ヨンギュ氏、韓国開業)、「プレオルソを院内にスムーズに導入するためのシステム作り」(椎名康雅氏、千葉県開業)、「プレオルソで健康寿命を延ばそう!」(大塚氏)が行われた。

 そのうち韓国MFT学会の会長を務めた経験もあるイ・ウンヒ氏は、鶴見大学留学および「Muscle Wins!」で知られる故・近藤悦子氏(歯科医師)との縁からMFTに取り組むようになった経緯を述べ、自院におけるMFTの実践について症例を供覧しながら解説した。またイ・ヨンギュ氏は、MFTと歯列・口腔周囲組織の連携に関する多彩な文献を紐解き、歯列と口腔機能、口腔周囲組織との連携およびバランスづくりに歯科が寄与できることについて詳しく解説した。

 また今枝氏は、歯科医院の他に助産院や保育園を運営し、子どもの健全な口腔発達を支えるのが歯科の使命とする立場から、子どもたちが哺乳から適切な離乳、食事習慣を獲得するまでの多職種連携と実践について述べた。続いて佐野氏は「口腔管理」という自院がもつコンセプトから、機能的マウスピース型矯正装置のメリットを語った。佐野氏の歯科医院は「子どもたちが通いたいと思う世界づくり」で知られるが、長らく対地域社会的な事業も行っており、臨床に加え俯瞰的な視点からも小児の発育の見守りを考えられる講演となった。

 吉野氏、山本氏、牧野氏は症例を中心としたプレオルソの臨床活用法、椎名氏は歯科医院のチームプレーを円滑に行うためのシステムづくりについて解説した。

  最後にプレオルソ開発者の大塚氏が、同装置を使うことによって健康寿命を延長することを目指すとし、同装置が装着しやすくなるマッサージ法、使用期間中の装置のチェックポイント、発達障害の小児患者に対するコミュニケーションなど、現代社会の様相にあった歯科治療の推進とプレオルソの活用について述べた。

 各講演の終わりにはそれぞれ質疑応答が行われ、聴衆から多くの質問が寄せられる活発な会となった。

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