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2016年2月13日

公益社団法人日本口腔インプラント学会、第35回 関東・甲信越支部学術大会を開催

「これからのインプラント治療-日常臨床としてのインプラント-」をテーマに

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 さる2月13日(土)、14日(日)の両日、京王プラザホテル(東京都)において、公益社団法人日本口腔インプラント学会第35回 関東・甲信越支部学術大会(渡沼敏夫大会長、渡邊文彦理事長)が、「これからのインプラント治療-日常臨床としてのインプラント-」をテーマとして開催された。2日間にわたって行われた本大会は、のべ約1,100名の参加者を集め盛況となった

 シンポジウム、基調講演、特別講演、市民公開講座、口頭発表、ポスター発表、専門医教育講座、専門歯科衛生士教育講座、専門歯科技工士教育講座、共催セミナーなどが、インプラント患者の高齢化への対応、健康寿命への貢献、インプラント治療が全身へ果たす役割といった本大会のテーマに沿った内容を中心に行われた。

 中でも、13日のシンポジウム1「超高齢社会におけるインプラント治療を考える」で行われた、上野尚雄氏(国立がん研究センター中央病院歯科)による、「インプラントと悪性腫瘍患者~がん患者の口腔管理の現場におけるインプラント~」は注目を集めた。

 がん治療の化学療法中には、唾液分泌量が低下したり、易感染症状態となることで、清掃状態がよくても口腔内のコントロールが難しい状態になり、インプラント周囲炎が発症しやすい状態になることが、がん研究センターにおけるがん患者の症例をもとに解説された。高齢社会においては、がんの罹患率の増加が予想され、一般歯科医院におけるインプラント患者が、がんになることも多くなってくると主張した。そして、がん治療のための長期の通院や入院によりインプラントのメインテナンスを受けられなくなることで口腔内がトラブルを引き起こしやすい状態になることを患者へと情報提供し、メインテナンスを継続していってほしいと聴講者へと訴えた。

 その他では、住友雅人氏(日本歯科医学会会長)が基調講演「学会長が日本口腔インプラント学会に望むもの」を行い、そののち小宮山彌太郎氏(東京都開業)が特別講演1「過去から学び、それを将来に活かす」を行った。小宮山氏は、昨年逝去されたPer-Ingvar Braenemark氏がインプラントの形状を決定するにあたって用いたられた臨床根拠などを紹介しながら、基本に立ち返った治療を行うことの重要性を主張した。