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2016年5月14日

「日本の歯科の力」が盛大に開催

35歳未満の歯科医師、歯学生900名以上が全国から参加

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 さる5月14日(土)、15日(日)の両日、砂防会館(東京都)において「日本の歯科の力」(赤川安正大会会長、月星光博大会会長)が開催され、全国から900名以上(うち歯科医師7割、歯学生3割)が参集し、盛会となった。

 本会は、これからの歯科界を担う35歳未満の歯科医師、歯学生のみを対象とした今までにないイベントであり、この企画に賛同した国内外で活躍する歯科医師らが手弁当で講演。自身の専門分野についてその魅力を伝えながら、参加者にこれからの歯科医師人生を考える契機となることを目的に開催された。

 開会の挨拶に立った赤川氏(前奥羽大学長、広大名誉教授)は、「各分野で活躍する演者の講演を通じて、若手が夢を実現するヒントを得てほしいし、元気づけたい」と開催趣旨を述べた。その後、2日間にわたり、講演14題、シンポジウム2題が行われた。演題、演者を以下に示す。

1日目
・ペリオの力part.1非外科の立場から:伊藤 中氏(大阪府開業)
・DHの力:石原美樹氏(フリーランス・歯科衛生士)
・予防の力:天野敦雄氏(阪大教授)
・老年歯科の力:米山武義氏(静岡県開業)
・インプラントの力:石川知弘氏(静岡県開業)
・補綴の力part.1無歯顎治療:寺西邦彦氏(東京都開業)

2日目
・修復の力:大谷一紀氏(東京都開業)
・矯正の力:齋藤 功氏(新潟大教授)
・補綴の力part.2審美治療:小濱忠一氏(福島県開業)
・外科の力:嶋田 淳氏(明海大教授)
・基礎研究の力:小川隆広氏(UCLA教授)
・エンドの力:石井 宏氏(東京都開業)
・ペリオの力part.2外科の立場から:長谷川嘉昭氏(東京都開業)
・外傷歯の診断と治癒の力:月星大会長

 講演では、各演者が現在までの自身の歩みとともに、その専門分野が歯科医療のなかでどのような役割を果たし、力を発揮しているかについて自身の臨床や研究を通して紹介し、最後に参加者へ熱いメッセージを贈った。

 シンポジウムは、1日目に「患者さんから信用される歯科医療とは?」が行われ、福西一浩氏(大阪府開業)、船登彰芳氏(石川県開業)の座長のもと、鳥山佳則氏(前厚労省医政局歯科保健課長)、諸井英忠氏(ボストン開業)、萩原芳幸氏(日大准教授)、秋元秀俊氏(医療ジャーナリスト)ら8名のシンポジストのほか、3名の若手歯科医師が登壇。患者から信頼を得るためには、現状や説明内容をきちんと説明することはもちろん、知識や技術の研鑽の必要性など、白熱した議論が繰り広げられた。

 2日目のシンポジウムは、「日本の大学教育・卒後教育の今後」と題し、赤川氏の座長のもと、櫻井 薫氏(東歯大教授)、小川氏、齋藤氏ら6名のシンポジストのほか、3名の若手歯科医師、大学院生を加えて行われ、歯学部の卒前研修制度は必要か否かなど、シンポジストの経験も踏まえた率直な意見が交わされた。最後に、赤川氏より、「制度や教育内容が変化しても、豊かな人間性や医の心を育み、健康・体力と自己管理の大切さを伝え、確かな学力を提供できる体制が重要」と締めくくられた。

 2日間を通して参加者は、演者らが伝えた「歯科の力」とその重要性について理解が深まっただけでなく、講演の随所に散りばめられたメッセージを十分に感じたことは間違いない。最後に、船登氏が閉会の挨拶に立ち、熱気に包まれた2日間の幕が下りた。