Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2016年11月12日

国際口腔インプラント学会学術大会2016が盛大に開催

「世界基準の信頼されるインプラント治療を目指して」をテーマに

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる11月12日(土)、13日(日)の両日、東京ベイ舞浜ホテルクラブリゾート(千葉県)において、国際口腔インプラント学会(以下ISOI、杉山尚隆会長)2016年学術大会が、「世界基準の信頼されるインプラント治療を目指して」をテーマに盛大に開催された。

 ドイツを本拠地としたヨーロッパ最大最古の歴史をもつドイツ口腔インプラント学会(以下DGZI)の日本支部を併設した当会は、本大会においてもDGZI副会長のRolf Vollmer氏(カイロ大)を迎え、初日ハンズオンセミナー、2日目講演会の構成で行われた。

 2日目は、小川勝久氏(東京都開業)を座長に迎えたドクター講演とCAD/CAMセッションが行われた。ドクター講演では、まずManfred Nilius氏(ドイツ開業)が登壇。インプラント治療はデジタル化によって(1)予知性、再現性、(2)ガイドによる正確性、(3)3Dデータを活用した術前補綴物の製作などによる期間短縮など、さまざまな利点を得ることができたとした。そして、それらについてケースレポートを通じて具体的に解説した。

 続いて矢島安朝氏(東歯大)は、過去のさまざまな歯科・インプラントバッシングの記事をもとに、インプラント治療の事故やトラブルの現状、トラブル増加の要因(歯科医師の需給バランスの悪化、科学的根拠なき施術の横行、体系的な教育不足、患者のリテラシー不足)への対策などについて解説。特にトラブル(医療訴訟)となる主な要因(神経損傷、血管損傷)への予防と発生した場合の対処について詳説した。

 Henry Kwek氏(シンガポール開業)は、インプラント治療において長期的な審美性を達成するには、硬・軟組織それぞれの厚さと三次元的に正しい位置への埋入が必要であるとして、ズッケーリテクニックをはじめとした軟組織増生やサンドイッチグラフトによる骨増生などについて解説した。

 最後に、金成雅彦氏(山口県開業)は、近年多く用いられるようになってきたトランジショナルインプラントを用いた矯正治療について解説。自身の症例を供覧しながらステップごとに詳しく解説した。

 CAD/CAMセッションでは、覚本嘉美氏(栃木県開業)と伊藤彰英氏(歯科技工士・ていね社)が登壇。口腔内スキャナーを用いた光学印象について、歯科医師・歯科技工士それぞれの立場から解説。トレイ・印象材・輸送費などの費用軽減、作業期間短縮などのさまざまな利点、精度担保に関する課題など、実際に医院臨床に取り入れての所感を率直かつ具体的に述べた。

 信頼されるインプラント治療を目指すためには、デジタルデンティストリーを活用し、正確で安全なインプラント治療を行うことがそのひとつであると感じられる大会であった。