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2016年12月17日

第23回JIADS総会・学術大会開催

「JIADSの真髄―Longevity達成のために―」をテーマに

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 さる12月17日(土)、18日(日)の両日、千里ライフサイエンスセンタービル(大阪府)において、第23回JIADS総会・学術大会(浦野 智理事長)が「JIADSの真髄―Longevity達成のために―」をメインテーマに開催され、歯科医師、歯科衛生士ら415名が参集し盛会となった。

 1日目の午前は、ドクターセッションと衛生士セッションに分かれ、それぞれ若手歯科医師および歯科衛生士らによる会員発表が行われた。ドクターセッションでは、8名が登壇した。以下に演題・演者を示す。
「JIADSコンセプトが基本」(森 基彦氏、千葉県開業)
「様々な状況における歯肉縁下カリエスの対応」(後藤隆行氏、京都府開業)
「JIADSと出会って学んだこと」(田中敬子氏、東京都開業)
「ジアズコンセプトの実践を目指して」(矢田航也氏、埼玉県勤務)
「患者さんのライフステージに合わせた歯科治療」(奥田裕太氏、大阪府勤務)
「JIADSラーニングステージと私の成長」(鈴木謙司氏、静岡県開業)
「エムドゲインこそが歯肉を歯に『接着』させる」(河野智生氏、大阪府開業)
「重度慢性歯周炎に対する上下顎インプラントの1症例」(福士宏也氏、岩手県開業)
 いずれの演者もJIADSで学んだ技術、コンセプトが日々の臨床でどのように反映され、患者の治療につながっているかについて発表した。
 
 午後には、JIADS創設者である小野善弘氏(JIADS主宰)と中村公雄氏(JIADS顧問)による特別講演「賢者は歴史に学ぶ」が行われた。小野氏からは、34歳の時に渡米し、Dr.Myron Nevinsらとの運命的な出会いを果たしたこと、帰国後に中村氏とともにO-Nデンタルクリニック(現医療法人貴和会歯科診療所)を開院、JIADSの創設を行った経緯が紹介された。ペリオの観点から、長期経過症例などのケースプレゼンテーションを行うなかで、患者にとって清掃しやすく、術者にとってメインテナンスしやすい口腔内、永続性(Longevity)の重要性といったJIADSコンセプトを盛り込み、改めて基となる考えを確認した。中村氏は、補綴の立場から症例を提示しつつ、治療結果の永続性を求めるためには、清掃性が大切であると述べた。また、補綴の基本はよく見てまねることであるとし、「基礎をしっかりと身につける地道な努力が必要」と説いた。

 2日目の午前には、「Women’s dentist symposium~女性が輝ける歯科医療とは~」と題し、4名が登壇。トップバッターである歯科衛生士の由良典子氏(兵庫県勤務)が、歯科はチーム医療であることや、患者固有のリスクを把握し、患者ごとにオーダーメイドの治療を行う必要性を述べた。次に歯科医師の根本康子氏(東京都開業)が、ブレないコンセプトをもって時間的な制約があってもキャリアを高める努力や、労働時間の長さではなく、生産性を高める重要性を説いた。続いて田中希代子氏(兵庫県開業)が、歯科医師としての30年を、家族を中心とした自身のできごと、歯科医師のキャリア、自院の経営という観点から時系列で紹介した。最後に中家麻里氏(大阪府開業)が、JIADSに出会う前、出会ってからのキャリアや意識の変化を、症例とともに紹介した。

 午後には「Clinical Discussion―治療計画を考える―」と題して、大川敏生氏(兵庫県開業)、平山富興氏(大阪府開業)、水野秀治氏(大阪府勤務)が症例提示をし、JIADS講師である6名のコメンテーターと治療計画について活発な議論が行われた。また、別の会場では桑田正博氏(クワタカレッジ代表)を招き、午前・午後ともに歯科技工士セッションが行われた。

 今回の総会・学術大会では、創設者である小野氏、中村氏が実践してきたJIADSコンセプトが改めて次世代に伝えられ、参加した歯科医師、歯科衛生士らはその真髄に胸を熱くした2日間であった。