2026年1月号掲載
法人歯科診療所4割が赤字、対応策は
※本記事は、「新聞クイント 2026年1月号」より抜粋して掲載。
第25回医療経済実態調査によれば、個人立歯科診療所における直近2事業年の損益率は、対前年度比でかろうじて横ばいに推移しています。昨今の物価高騰や賃上げの動向をふまえると、依然として厳しい経営状況です。特に医業費用の内訳では、委託費が大幅に増加しており、技工委託費は5.9%増となっています。さらに、金パラは2025年以降再び上昇しており、歯科診療所が引き続き物価高騰の強い影響を受けていることが推測されます。
また、医療法人の経営情報に関するデータベース(MCDB)でも医業利益が赤字の歯科診療所は41.4%と危機的状況です。これ以上の経営努力には限界があり、迅速かつ抜本的な対応が不可欠です。
さらに、歯科衛生士等及ぼしかねません。
1981年を100とした個人立歯科診療所の損益差額と消費者物価指数は、40年以上経過した現在も「ワニの口」のように乖離したままであり、平均値と最頻値の差異から経営状況の二極化が進んでいる可能性も示唆されます。歯科医師の高齢化が進むなか、医療DXの推進や歯科医療のデジタル化、そして複雑化する診療報酬体系は、地域における歯科医療提供に多大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、持続可能な歯科医療の提供に向けた体制構築が急務です。