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2018年11月11日

東京デンタルスタディクラブ・COMPセミナー共催特別講演会が開催

月星光博氏が「歯周治療の科学と臨床」のテーマで講演

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 さる11月11日(日)、主婦会館プラザエフ(東京都)において、東京デンタルスタディクラブ(吉田憲明代表、吉野 晃代表)とCOMPセミナー(五十嵐三彦代表、五十嵐尚美代表)共催による特別講演会が開催された。会場では月星光博氏(愛知県開業)が「歯周治療の科学と臨床」と題して講演、180名の歯科医師・歯科衛生士が参集した。

 月星氏はまず、20歳で初来院して以来35年経過を追っている患者を中心に、歯周病の病像、歯周組織破壊のメカニズム、免疫のメカニズムなどについて解説。米国歯周病学会・欧州歯周病学会の合同発表で、歯周病の分類が変わり、biologic width(生物学的幅径)の呼称がsupracrestal tissue attachmentに変わったことなどについて触れた。歯周病の部位にプロービングすると、歯肉溝底を突き抜けて骨頂までプローブが入ってしまうことから、SRPする際にはプローブの先端から2mm歯冠側の位置までにしないと、感染していない歯根膜まで掻爬してしまうと述べた。

 歯周病の治療に咬合調整は必要か?との問いには、咬合調整(歯冠削除)することで自然挺出することにより骨欠損が改善するのであって、咬合がよくなったから骨欠損が回復したと考えるのは誤りだと論じた。また、細菌検査は必要か?との問いには、細菌検査をしようがしまいが歯周病の治療方針に変わりがないこと、現在の費用対効果から、臨床的には必要ないと見解を示した。

 歯槽骨には「歯(歯根膜)に依存しない骨量」と「歯(歯根膜)に依存する骨量」があることを示し、歯周病の治癒のゴールは、感染を取り除き、ポケットからサルカスに移行させ、長い上皮付着による治癒と「歯(歯根膜)に依存しない骨量」を回復させることと結んだ。講演の後半では、さらに、vital pulp therapy、外傷歯治療、自家歯牙移植について語った。