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2019年6月6日

第13回PRD(Periodontics Restorative Dentistry)国際シンポジウム開催

Distinguished Clinician Awardに小野善弘氏らを選出

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 さる6月6日(木)から9日(日)の4日間、Boston Marriott Copley Place(米国)において、The 13th International Symposium on Periodontics & Restorative Dentistry(第13回PRD国際シンポジウム:Quintessence International Publishing Group主催、米国歯周病学会共催、Dr. Myron Nevins、Dr. Marc L. Nevinsともに大会長)が「Periodontal, Restorative Dentistry, and Implant Therapeutics」をテーマに開催され、約2,300名が参集した。

 1983年から3年に一度開催されている本シンポジウムは、歯周、補綴、インプラント治療の最新動向に関するプログラムで構成されている。今回も世界各国から招聘された研究者・臨床歯科医師87名により、13題のセッションおよび6題のワークショップが行われた。

 各セッションでは、日進月歩の進化をとげるデジタル技術にともない、さらに綿密さを実現できるようになった顎口腔領域の審美的治療や、生体材料工学的・生物学的知見に基づくインプラント治療あるいはインプラント周囲炎のマネジメントと改善、ジルコニア等の補綴材料の最新動向と臨床についてそれぞれ演者が講演したほか、アプライアンスと歯科矯正用アンカースクリューを用いた複数歯の一括移動などの話題を含む成人矯正歯科治療のセッションも設けられ、聴衆らは国際的に著名な演者らの講演に耳を傾けていた。

 日本からは、2日目に石川知弘氏(静岡県開業)が「Keys for Periodontal Regeneration Success in Challenging Sites」、3日目に中家麻里氏(大阪府開業)が「Achieving Peri-implant Tissue Stability Using Hard and Soft Tissue Augmentation for Periodontally Compromised Patients」、岩田光弘氏(岡山県開業)が「Interdisciplinary Therapy to Prevent Peri-implantitis in Patients with Severe Periodontitis」、船越栄次氏(福岡県開業)が「Can We Cure Peri-implantitis?」と題してそれぞれ講演した。船越氏の臼歯部におけるスーパーフロスを用いた非外科的なインプラント周囲炎のマネジメントについての講演は、本シンポジウムにおいて大小の外科治療を扱う講演が多勢を占めるなか一石を投じるもので、講演後に質問が相次ぐなど聴衆らの関心を引いていた。

 また、本シンポジウムの開催ごとにすぐれた臨床歯科医師へ授与されるDistinguished Clinician Awardには、Dr. Michael K McGuire、Dr. Ueli Grunder、小野善弘氏(The Japan institute for Advanced Dental Studies:JIADS顧問)が選出された。小野氏には2日目のウェルカムレセプションにおいて授与式が行われ、会場の参加者らは小野氏の功績に惜しみない拍手を送っていた。

 なお、本シンポジウム開催に合わせてQuintessence Publishing USAから出版された「Implant Therapy: Clinical Approaches and Evidence of Success, Second Edition」(Myron Nevins、Hom-Lay Wang〔編〕)には今回講演を行った多数の演者による症例が掲載されている。