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2019年10月13日

ヘルスケアミーティング2019開催

これからのカリエスリスクアセスメントについて語られる

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 さる10月13日(日)、14日(月)の両日、秋葉原コンベンションホール(東京都)において、日本ヘルスケア歯科学会(杉山精一代表)によるヘルスケアミーティング2019 「ヘルスケアだヨ! 全員参加」が開催された。台風19号の影響を受け、初日のプログラムは中止となり、2日目のみ予定通りに行われた。

 はじめに、杉山氏より本学会が作成したカリエスリスクアセスメント用ツール「CRASP(Caries Risk Assessment Share with Patients)」について解説された。CRASPとは、う蝕病原性仮説の変化に合わせ、従来のプラーク中の特定の細菌や唾液量・緩衝能を検査し総合的にリスクを判定する方法ではなく、患者の飲食習慣や口腔衛生状態に重きをおき、プラークについては酸産生能を検査し、項目ごとに評価するものである。杉山氏は、「つねに変化するリスクを把握するために、ふるい分けられることなく、すべての患者に定期的に介入したい」というこれまでの経験からの想いをふまえた開発経緯が語られた。

 実際の質問用紙を用いたCRASP体験ワークが行われたほか、すでにCRASPを導入している歯科医院からは、「スタッフ間での指導のばらつきがなくなり、共通言語ができた」「患者ごとのリスクを把握しやすい」「行動変容のきっかけに役立った」など導入前後の変化が、ケースを交えながら紹介された。さらに、10月中にリリース予定のCRASPアプリも初披露され、項目ごとの変化を経時的に把握できる点が評価されていた。

 特別講演として松久保 隆氏(東歯大名誉教授)が招聘され、飲食物とう蝕発病の関係性について、さまざまな研究結果を用いながら解説。砂糖の摂取頻度によりプラークの形が異なること、酸の種類によりpHが低い状態が保たれる時間が異なることなど、食習慣の指導に役立つ具体的な情報が示された。

 なお、次回ミーティングは同会場にてきたる11月22日(日)、23日(月)に開催され、今回中止となった初日のプログラムは22日に行われる予定。