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2019年11月4日

The 1st SAFE in Tokyo開催

インプラントのトラブル症例を検証する

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 さる11月4日(月)、東京医科歯科大学(東京都)において、The 1st SAFE in Tokyo(野阪泰弘大会長)が開催され、約170名が会場に参集した。本大会は、インプラントのトラブル症例を検証する勉強会SAFE(Sharing All Failed Experiences)が主催する学術大会である。SAFEはこれまで大阪を中心に7回の学術大会を行っており、今回初の東京開催となった。

 SAFEは勉強会・学術大会だけでなく、インプラントのトラブル症例を検証するための書籍『SAFE Troubleshooting Guide』シリーズ(小社刊)も発刊しており、それに合わせて「機械・構造的合併症」「患者由来性合併症」「外科的合併症」「補綴・技工的合併症」「審美的合併症」の5セッションに分け、それぞれ講演を行った。また、「若手ドクターがエキスパートに聞く」と題し、若手歯科医師による症例報告や臨床上の悩みについてエキスパートが見解・回答を述べるセッションも設けられた。以下に演題と演者を示す。

「SAFEの発祥と活動」米澤大地氏(兵庫県開業)
<機械・構造的合併症>
「インプラントのトラブルはどのパーツで起こっているのか?」奥野幾久氏(大阪府開業)
「このインプラントは何? インプラントの判別について」山羽 徹氏(大阪府開業)
<患者由来性合併症>
「インプラント埋入部位における局所的な患者由来合併症」中島 康氏(大阪府開業)
「全身疾患・薬剤投与に関係したインプラントトラブルとは? 超高齢社会における無歯顎患者に対するインプラント補綴の新たな提案-HIGHBRIDGEコンセプト」高橋恭久氏(東京都開業)
<外科的合併症>
「大学が抱えるインプラント外科に関するトラブル-現在、過去、未来-」宗像源博氏(昭和大歯科病院インプラント歯科診療科長准教授)
「絶対に避けたい外科的合併症」十河基文氏(阪大大学院歯学研究科イノベーティブ・デンティストリー戦略室教授)
<補綴・技工的合併症>
「デジタル時代の補綴的合併症とその対応」丸尾勝一郎氏(東京都開業)
「ジルコニアのトラブル-New generation of Aesthetic dentistry-」一柳通宣氏(デンテックインターナショナル株式会社)
<審美的合併症>
「審美的合併症  患者は何を求めているのか?」中田光太郎氏(京都府開業)
<若手ドクターがエキスパートに聞く>
「All-on-4 concept を用いた再治療症例」上杉崇史氏(東京都勤務)
「なぜ起きた? インプラントポジションのズレ」財部裕輔氏(東京都勤務)
「歯間乳頭再建において移植片の壊死を起こした症例」大島健吾氏(香川県勤務)

 2020年に開催予定である、第8回SAFE学術大会大会長でもある中田氏の「審美的合併症  患者は何を求めているのか?」では、来年の大会に先駆け、審美的合併症について述べた。審美領域に関するトラブル症例を提示するとともに、患者の審美に対する期待度を判断することの難しさについて述べ、PES/WESで客観的な審美評価を行うことやペリオドンタルフェノタイプの診断の重要性について解説した。そして患者は多かれ少なかれ審美的な結果を求めるため、それに対して治療を行うことを決めたのであれば、審美的結果を出すことができるようにトレーニングを積むことが重要であるとまとめた。

 SAFE以外では目にすることのできないトラブル症例から学び取れることは多く、参加者の熱心な姿勢が印象的であった。

 なお、第8回SAFE学術大会は、きたる2020年3月20日(金)、21日(土)の両日、神戸国際会議場(兵庫県)において開催予定である。