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2021年2月14日

株式会社Toppy、第18回歯内療法症例検討会を開催

歯内療法の現在が語られた一日に

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 さる2月14日(日)、オンライン配信において、第18回歯内療法症例検討会(株式会社Toppy主催)が行われた。本検討会は、吉岡隆知氏(東京都開業)が中心となり、歯内療法症例をさまざまな角度からディスカッションして日常臨床のヒントを得ること、また治療へのモチベーションを維持することを主目的に開催されているもの。午前中のセミナーでは、以下の演題・演者で講演が行われた。

「シーラーの役割・選択」(吉岡俊彦氏、広島県開業)
「メインポイントの決定方法・側方加圧充填」(八幡祥生氏、東北大)
「CWCT法」(橋本健太郎氏、医歯大)
「MTAでの根管充填・MTAキャリアの使い方」(山内隆守氏、東京都勤務)
「シングルポイント根充」(辺見浩一氏、東京都開業)
「根管充填の位置―歯冠側の終了位置について―」(戸部拓馬氏、昭和大)

 なかでも辺見氏は、根管充填では封鎖性の高い緊密な充填を行うことが重要であることを述べ、バイオセラミックスシーラーを用いたシングルポイント根管充填について、根管充填時の注意点、利点・欠点を詳説した。まとめとして、本法は歯にほとんど圧がかからず簡便な方法であるが、適応症の選択、シーラーの溢出がないように操作すること、シーラーを根管内に行き渡らせるために化学的な洗浄が重要であるとした。

 午後の歯内療法症例検討会は、7名の演者による症例発表、質疑応答が行われた後、特別講演「口腔の健康状態と生活習慣病や全身疾患との関連」と題し、桑田啓貴氏(昭和大)を演者に迎え行われた。

 桑田氏は、近年、歯周病発症の概念として確立されてきた「口腔ディスバイオーシス」について、その概要と全身に与える影響について述べた。ディスバイオーシスとは、細菌叢の乱れのことであり、これが口腔内に起こることで口腔常在細菌叢のバランスが崩れ、病原細菌が侵入、定着し、全身疾患が引き起こされることを解説した。最後に今後の展望として、現在の歯科治療は局所的な細菌集団の機械的除去に主眼がおかれているが、将来的には「健康な口腔常在細菌叢への誘導」が可能となり、歯科診療に取り入れられるのではないかと語った。