Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2021年3月28日

2020年度MID-G総会 特別講演会を開催

田村憲久氏と山田 宏氏を招聘し、COVID-19に対する今後の政府の取り組みおよび歯科界の展望が語られる

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる3月28日(日)、Doctorbook academyにて、2020年度MID-G総会 特別講演会(MID-G主催、和田匡史代表理事)が配信された。演者として、田村憲久氏(厚生労働大臣)と、次期参議院議員選挙における日本歯科医師連盟の組織代表である山田 宏氏(参議院議員)という現職の国会議員2名を招聘し、現在のコロナ禍における医療体制への提言をテーマに講演が展開された。

 まず山田氏は、口腔ケアを推奨された小学校ではインフルエンザの罹患率が著しく低かったという、歯科医師でない自分が歯科の重要性に気付くきっかけとなった東京都杉並区長時代のエピソードを披露。また、COVID-19の重症化に歯周病の有無が関連していることを示し、定期的な口腔ケアの重要性を強調した。氏は国会議員に対する歯科口腔医療勉強会を設立して歯科の知識を深めるとともに、歯科口腔保健や歯科医療に充てる関連予算を大幅に増額させるなどの政治的手腕も発揮しており、講演の最後には「これからの日本の健康政策において歯科が中心的な役割を果たしてほしい」との力強いメッセージを発信した。

 その後に行われた山田氏と和田代表理事の対談では、歯科衛生士の慢性的な不足や歯科技工士の減少などの問題をうけ、行政の手による歯科医療従事者への復職支援についてのディスカッションが行われた。加えて、災害時の遺体特定における歯科の貢献や、食育の中で歯科衛生士をはじめとする歯科医療従事者と管理栄養士などの多職種連携の必要性が再確認された。

 最後のプログラムとして、田村氏が登壇。ここでは全国の歯科医院で1件も感染が確認されていないことへの称賛とともに、コロナ禍においても定期的な歯科受診が推奨された。続いて、昨年からの政府のCOVID-19対策と今後のロードマップが詳らかにされ、好評を博した。具体的には、2021年5月中には全国的にも十分な数の病床が確保されること、また6月以降には全国民にワクチンが行き渡る予定であることが示された。

 現職の厚生労働大臣と組織代表の参議院議員を招いた講演とあって、配信前から大きな話題となっていた本総会は、期待を裏切らない充実の内容となった。なお、本講演は新聞QUINT5月号にてその詳細が掲載される予定である。