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2021年9月17日

近未来オステオインプラント学会、ZOOM研修会を開催

平井友成氏出版記念講演会「必ず上達 自家歯牙移植・再植――天然歯を最大限活用するために」

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 さる9月17日(金)、近未来オステオインプラント学会(水上哲也会長)による第6回本部主催ZOOM研修会が、平井友成氏(福岡県開業)を迎え、「必ず上達 自家歯牙移植・再植――天然歯を最大限活用するために」と題して開催された。本研修会は、2021年6月にクインテッセンス出版から刊行された同タイトル書籍の出版記念講演会として開催され、110名が参加した。

 平井氏はまず「移植・再植治療の心得」として、歯根膜を残すことができる抜歯が可能な症例から始めて、ステップアップを試みることが推奨されると述べた。その歯根膜の特性を活かすための臨床上の注意点としては、歯根未完成歯では根尖のマラッセの上皮遺残を保存すること、移植歯の歯根中央部はセメント質が薄いので強くつままないこと、歯根膜はpH・浸透圧の変化、特に乾燥に弱いため、処理中は生理食塩水に浸漬すること、移植時には抜歯窩(ソケット)に血餅を貯留させて最低2週間固定すること、と述べた。

 つぎに「移植の手技」について解説。「抜歯とソケット形成の順序は?」「歯根膜に損傷を与えないためには?」「ドナー歯の抜歯前にトルクをかけるべきか?」といった臨床の疑問に答え、ソケット形成、術後の固定、移植後の根管治療について解説していった。

 「意図的再植」についても、歯根尖切除術が必要な症例、クラックが入った破折歯や垂直歯根破折歯の症例への対応について臨床例を示しながら詳説。事前にできるだけの根管充填を行うこと、歯根破折の防止のために支台築造を先に行うのも1つの選択肢であること、再植しづらい場合は歯槽骨を削合すること、などについて述べた。

 全編にわたり、自家歯牙移植・再植術に便利な器具を紹介しながら、臨床の疑問に答えていく、移植・再植を実践したい臨床家にわかりやすい講演であった。

*9月下旬から1か月間限定で本講演が配信されます。
視聴希望者は近未来オステオインプラント学会事務局ipoiimplant@gmail.comまで。