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2021年10月9日

株式会社COCO DentMedical、オンラインセミナー「米国式歯周治療学・アメリカンアプローチ」を開催

約600名が受講! 杉田龍士郎氏の熱い語りに注目

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 さる10月9日(土)、株式会社COCO DentMedical(石原美樹代表)による「米国式歯周治療学・アメリカンアプローチ」と題した全2回のオンラインセミナーが、杉田龍士郎氏(千葉県勤務)を講師に迎え、歯科衛生士向けに開催された(4週間のアーカイブ配信つき)。初回となる今回は「エビデンスに基づく歯周治療」のテーマで行われた。杉田氏は、テキサス大学サンアントニオ校歯学部補綴科および歯周病科を卒業し、米国の補綴および歯周病の専門医を取得した国内唯一の人物。現在は千葉県で勤務しつつ、日本での卒後研修やスキルアップのための情報発信に力を入れている。ただ、歯科衛生士向けの情報発信は今回が初ということもあり、約600名の歯科医師・歯科衛生士からの申し込みがあった。

 「歯周治療においていちばん大切なことは何か」との参加者への問いかけから講演がスタート。歯科医師・歯科衛生士が技術だけを身につけても歯周病は治らず、そこで考えたいのが歯周病の病因であるとして、文献をもとに病因論について紐解いた。病因論から導きだされた結果、考えられる治療法には2種類あり、1つは細菌性プラークに対するアプローチとしての「プラークコントロール」、もう1つは宿主抵抗性に対するアプローチとしての「ホストモジュレーション」であるとした。ただし、「ホストモジュレーション」に関してはまだ臨床応用できる段階にまで至っていない。よって、プラークコントロールがもっとも大事であり、これが冒頭の問いかけの答えであると明言した。プラークコントロールができていなければ、いかなる治療をしても妥協的な結果しか生まないと強調。歯周基本治療、歯周外科治療、メインテナンス、すべてのフェーズでプラークコントロールが重要であり、それを裏付ける論文を紹介した。さらに、セルフケアやSRPの治療効果・限界などについても、クラシックとよばれるものから最新の研究まで網羅した解説がなされた。

 講演後には多数の質問が参加者から寄せられ、知識をアップデートできる充実した時間となった。第2回目は、きたる12月11日(土)に「エビデンスに基づくメインテナンス理論」のテーマで開催予定。