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2021年11月21日

Women Dentists Club(WDC)、ハイブリッド形式にて講演会を開催

佐々木 猛氏が「天然歯とインプラントの長期安定を目指して~炎症と力のコントロールの徹底~」と題して登壇

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 さる11月21日(日)、三井記念病院(東京都)とWeb配信のハイブリッド形式にて、女性歯科医師の会「Women Dentists Club」(以下、WDC、天川由美子会長)が講師に佐々木 猛氏(大阪府開業)を迎え、講演会が開催された。

 当日はまず、WDC会長の天川氏(東京都開業)による開会挨拶、WDC東日本支部長の成川史子氏(東京都開業)による講師紹介の後、佐々木氏による講演がスタートした。

 氏は、「天然歯とインプラントの長期安定を目指して~炎症と力のコントロールの徹底~」の演題のもと講演。冒頭、歯科治療の目的として、機能性と審美性を回復し、永続性を達成することとしたうえで、そのための要件として、1)清掃性の高い歯周環境、2)精密な補綴修復、3)安定した咬合の3つを挙げた。また、治療結果の永続性を実現するには、炎症と力のコントロールが重要であり、歯周治療と補綴治療の連携の実際について解説。狭義の連携として歯周組織と補綴装置の関係、広義の連携として治療計画の立案と実行を掲げ、長期経過を含む多数の症例を通して臨床的なポイントを紹介した。

 また、昨今注目を集めている歯周組織再生療法に関しては、歯周組織再生剤であるリグロスの登場により氏のアプローチの仕方がよりシンプルな方向へと変わったことに言及。リグロスの特性を活かした活用法が重要であると述べるとともに、歯周組織再生療法を成功に導く鍵として切開・剥離・掻爬・縫合のステップがあるが、なかでも徹底的な掻爬が治療結果を大きく左右するとした。

 さらに補綴治療や咬合についての要点として、顆頭安定位において安定した咬頭嵌合位を確立することが重要であると述べたうえで、LGTP(light guide tapping position)とCLP(clenching position)を一致させることが大切であり、その詳細なステップを紹介した。患者の口腔内と咬合にはそれぞれの個性・特徴があり、一様の咬合様式を与えるのではなく、プロビジョナルレストレーションを用いて患者の反応をみながら個々に対応することが長期安定につながるとまとめた。

 講演後には、WDC名誉会長の林 美穂氏(福岡県開業)をはじめ各支部長らによるコメントや質疑応答が行われた。歯周治療、補綴治療などに関連するさまざまな質問に対し、佐々木氏は1つひとつていねいに回答し、熱気に包まれたまま本講演会は閉会となった。

 なお、きたる2022年5月21日(土)、22日(日)には、講師に村上伸也氏(阪大教授)を招聘し、京都大学(京都府)にてWDC総会を開催予定。