Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2022年2月17日

日本臨床歯科学会東京支部、第3回“Webinar”ステップアップミーティングを開催

会員2名の発表をもとに熱いディスカッションが展開される

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる2月17日(木)、日本臨床歯科学会東京支部(大河雅之会長)による2021年度第3回“Webinar”ステップアップミーティングが、Web配信とオフラインのハイブリッド方式にて開催された。なお、本会は、コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、講演部分は事前録画で、講演後のディスカッションのみリアルタイムで行われた。

 当日は、武川泰久氏(埼玉県開業)の司会のもとに進行。まず、会長の大河雅之氏(東京都開業)が登壇し、開会の挨拶を行った。その後、一般講演として会員2名による症例の発表が行われた。

 1題目は加部聡一氏(東京都開業)の座長のもと、加藤駿祐氏(東京都勤務)が「L.O.T.により審美的改善を行った症例」と題し発表された。本症例の患者は前歯部審美性の改善を主訴に来院された45歳女性で、ガムラインの不調和や上下顎前歯の叢生、臼歯部における干渉が認められ、特に上顎中切歯における縦横比の改善を行うには、修復処置のみならずトゥースポジションの是正も行う必要があった。診断当初、全顎矯正を提案するも患者は希望されず、再提案の末、上下顎前歯部に L.O.T.を行うこととなり、適切なアンテリアガイダンスの回復と補綴・修復処置による審美的な改善を行った過程が供覧された。

 2題目は、吉田茂治氏(埼玉県開業)の座長のもと、山下貴史氏(秋田県開業)が「インプラント治療におけるジルコニア上部構造設計の取り組み」と題し発表された。本症例の患者は入れ歯が合わないという主訴で来院した47歳女性で、修復治療を行う前に既存の習慣的顎位の改善が必要であると診断。抜歯を経て、上下無歯顎となった患者へインプラント治療による咬合再構成が行われた。その過程とともにジルコニア上部構造の補綴設計についての取り組みについても報告された。なお、本症例は2年前の同会ですでにプロビジョナルレストレーションまでの過程が発表されており、その際の指摘事項をふまえ、上部構造を再製作したものであった。

 いずれの演題においても活発なディスカッションが行われ、会員の強い興味・関心がうかがえた。最後に、副会長の北原信也氏(東京都開業)が閉会の辞を述べ、本会が締めくくられた。次回は、きたる8月7日(日)に開催予定とのこと。