Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2022年7月30日

日本臨床歯周病学会、40周年記念大会を開催

「歯周病のトータルマネジメント~40年間の革新と功績~」をメインテーマに

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる7月30日(土)、31日(日)の両日、パシフィコ横浜(神奈川県)において、日本臨床歯周病学会40周年記念大会(清水宏康大会長、高井康博理事長)が「歯周病のトータルマネジメント~40年間の革新と功績~」をメインテーマに掲げて開催され、登録者数は約2,500名に及んだ(2022年8月1日から21日まで一部オンデマンド配信)。

 初日、冒頭に催された40周年記念式典では、神成貴夫実行委員長、清水大会長、高井理事長の挨拶、川崎功労賞表彰式などにつづいて、船越栄次氏(福岡県開業)と二階堂雅彦氏(東京都開業)による「40周年記念講演」がそれぞれ行われた。両氏より本会の会員数の推移や学術大会の変遷などが示され、各々が本会とともにどのように歩んできたかが語られた。

 開催前より注目を集めていたPierpaolo Cortellini氏(イタリア開業)による特別講演は、初日と2日目にそれぞれ講演が行われた。なかでも、谷口崇拓氏(長野県開業)と木村文彦氏(神奈川県開業)の座長のもと行われた初日の講演「Periodontal regeneration in intrabony defects: advancements of flap design and regenerative materials」では、歯周組織再生療法における材料やフラップデザイン発展の変遷のほか、歯周組織再生療法に対する各テクニックの比較、MISTやM-MISTの臨床的なポイントについて動画なども交えつつ、多くの長期症例を供覧した。氏の来日を待ち望んでいた聴衆を魅了した。

 2日目に行われた「歯周病最新情報の部屋」では、天野敦雄氏(阪大大学院歯学研究科予防歯科学教室教授)と山本龍生氏(神歯大歯学部社会歯科学分野教授)が登壇。歯周病の再発および根面う蝕予防におけるプロフェッショナルケアやセルフケアのポイント、歯の喪失とソーシャルキャピタルの関連などが示された。

 また、Cortellini氏と同じく注目を集めていたIstvan Urban氏(ハンガリー開業)が、藤本浩平氏(東京都勤務)と孔 令群氏(北海道勤務)の座長のもと、「My Perspectives on Vertical and Horizontal Augmentation」と題して登壇。氏は、外傷などにより硬・軟組織が大幅に失われた歯槽堤に対し、自身が考案したミニソーセージテクニック、ソーセージテクニック、ラザニアテクニックなどを用いて垂直的・水平的に歯槽堤増大を行った症例を多数供覧。これらのテクニックを成功に導くためには、フラップをきちんと閉鎖できる状態にすることが重要であると述べ、減張切開のポイントなどを動画とともに解説し、Cortellini氏同様、会場の参加者を魅了した。

 この他、長期症例や摂食嚥下障害、チーム医療、エンドペリオ、歯の移植、コミュニケーションなどバラエティーに富んだ内容で多数の講演が行われた。

 なお、次期学会は、きたる2023年6月24日(土)、25日(日)の2日間にわたり、吉田 茂大会長(福岡県開業)のもと福岡国際会議場(福岡県)において開催予定である。