2022年8月21日掲載

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ストローマン・ジャパン株式会社、The 1st ClearCorrect Users Meetingを開催

ストローマン・ジャパン株式会社、The 1st ClearCorrect Users Meetingを開催
 さる8月21日(日)、東京国際フォーラム(東京都)において、The 1st ClearCorrect Users Meeting(ストローマン・ジャパン株式会社主催)が開催され、約200名が参集した。

 2017年の販売開始から多くのユーザーを集めているアライナー矯正治療システムClearCorrectの、初めてのユーザーミーティングとなる本会では、槇 宏太郎氏(昭和大教授)を座長に、甘利佳之氏(東京都開業)による「ClearCorrectを始めるにあたり~資料採取とプランニング~」、丸尾勝一郎氏(東京都開業)による「ClearCorrectにおける口腔内スキャナ活用のポイント」、田中譲治氏(千葉県開業)による「GPが手掛けるアライナー矯正」、甲斐拓也氏(東京都開業)による「スポーツにおけるアライナー矯正治療の効果」、文野弘信氏(東京都開業)による「ClearCorrectアライナー治療の実際」、窪木拓男氏(岡山大教授)による「矯正・補綴コンビネーション療法を様変わりさせるマウスピース矯正」の6題の講演が行われた。

 参加者をほぼ一般歯科医(以下、GP)が占めることからも、補綴治療、インプラントによる口腔機能再構築、スポーツ歯科など、矯正歯科治療と他の治療とのコラボレーションについての演題が多く見られる。

 このうち甘利氏は、アライナーで治療できる症例は限られており、Ⅰ級不正咬合から着手していくべきであること、また検査診断は歯科医師の責任のもとに行われるため、治療計画立案をメーカーまかせにせず、適切な治療のために最低限でも顔貌写真、口腔内写真、セファログラムやパノラマX線写真などのX線写真、歯列印象の資料採得を行うとともに、顎運動や軟組織の機能検査を加えたうえで診断を行うべきであるとした。

 また文野氏は、ブラケット矯正治療をマニュアル車、アライナー矯正治療をオートマティック車にたとえ、それぞれの矯正装置が得意な歯の移動、苦手な歯の移動について解説した。ただしデジタルデンティストリーとしての矯正歯科は日々進化しており、歯科医師がそのアップデートを注視し続けること、そして対応し続けることの重要性についてもふれた。

 最後に槇氏が登壇し、アライナー矯正歯科は大学の教育課程にはなく、GP、矯正医、患者が三者三様に狭窄した視点でしかアライナー矯正歯科をとらえられていないのが現状であること、また患者のコンプライアンスに大きく依存する特性がトラブルにつながることにふれた。しかしこれらの問題は、みずからもかかわっている研究を含め、今後の技術革新により解決されていくものであり、そこに矯正歯科の未来があると本会を締めくくった。

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