2025年8月号掲載
CHEERS!(第24回)
※本記事は、「歯科衛生士 2024年12月号」より抜粋して掲載。
インプラント専門の歯科医院で、メインテナンスに30年間通う80代男性の患者さんが、チェアサイドに訪れた院長にポツポツと話し始めました。「自分は若いときから歯でずっと苦労をし続けていた。アメリカにいたとき何個か入れ歯を作ったけど、どれも噛めなかった。どれも使えないから、しょっちゅうその辺に置きっぱなしにするのでいつの間にかなくなってしまった。日本に帰ってきたとき、たまたまつけていたテレビで、インプラントというすごいものができたと知った。いろいろ調べてようやくここの医院を見つけ、インプラント治療をしてもらったんです。あれから30年。歯で不自由したことは一度もありません。なんでも噛めます。女房が僕に言うんですよ。孫と同じ料理でいいって。自分のためだけに料理をしなくていいって。とっても楽だって言うんです。私は、孫と同じ食卓で、孫と同じものを食べられています。先生、本当に本当にありがとうございました」後ろで聞いていた担当歯科衛生士は涙をあふれさせていた。院長は患者さんに「ずっとインプラントを大切に使ってくださってありがとうございます」と答えた。歯科衛生士はもう涙が止まらなかった。