2025年12月号掲載
国民皆歯科健診の実現加速へ
※本記事は、「新聞クイント 2025年12月号」より抜粋して掲載。
第104代内閣総理大臣に就任した高市早苗首相は、かねてより自身の政策に「健康医療安全保障」の構築として「国民皆歯科健診」の完全実施、「予防医療」の取り組みを掲げている。
国民皆歯科健診の実現については、日本歯科医師会も「健康増進事業における歯周疾患検診の対象年齢を5歳刻みに拡大することをはじめ、各ライフステージにおける歯科健診の拡充を求める」として制度予算要望の重点項目を国へ求めている。また、骨太の方針2025に「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)に向けた具体的な取組」と記載されており、高市内閣の発足によってその実現に向けた進展に大きな期待を寄せている。
一方、自由民主党と日本維新の会との連立政権において日本維新の会が求めている「現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指す」ことも熟慮しなければならない。増大する社会保障費により国民皆保険制度の維持が困難を極めるなか、保険料の引き下げは容易ではない。
歯と口の健康は全身の健康に大きく影響することから、国民皆歯科健診により国民の歯と口の健康が増進することは社会保障費の伸びの抑制に大きく寄与することとなる。それに加えて「口腔健康管理」を徹底することにより、さらなる健康寿命の延伸が期待される。
本会としても首相の目指す「国民皆歯科健診」の完全実施、予防医療としての「口腔健康管理」の推進を国民へアピールし、実現に向けて強力にサポートしていきたい。