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2026年10月号掲載

診療予約のキャンセルについて

※本記事は、「新聞クイント 2026年10月号」より抜粋して掲載。

 近年、さまざまな場面で予約診療における「キャンセルポリシー」が論点となっている。キャンセルポリシーとは「予約をキャンセルする際の期限、料金、対応方法を定めたルール」のことである。

 もちろん現場の状況や事情があることは十分理解しているが、本来、キャンセルポリシーは医療にはなじまないものと私は感じている。

 「医療も経済活動である」という視点は外せない。安定的な経営基盤あってこそ、持続的な医療提供体制が実現するからだ。一方で、医療の提供側と受け手側の関係を経済のみで捉えようとするのも、また医療の本質とは大きく異なると考えられる。

 信頼関係が医療の基本である。どんなに時代が変わりDX 化が進もうとも、医療は人と人の間のやりとりである。約束をお互いに守るのは人間としての基本であるが、一方でやむを得ずそれを完全には守れないこともある。そのような状況が起きた時、それを理解し合える関係を築くことがラポール形成であり、その形成こそが医療において予期せぬことが起きた時も、関係が破綻することなく問題の解決に至る鍵なのではないだろうか。

 医療の提供者と受け手が、疾病に対してともに協力して治していくのだ、という気持ちを共有することが、医療には重要なのではないかと考える。

 時間は両者にとって、また他の受診希望者にとっても大切なものであることを理解し、尊重することが必要である。これらのことを啓発することで、より良い関係を築き、より円滑な歯科医療提供を目指したい。