2026年7月号掲載
水道水フロリデーションのさらなる推進へ
※本記事は、「新聞クイント 2026年7月号」より抜粋して掲載。
わが国のう蝕予防において、フッ化物配合歯磨剤を代表とする局所的フッ化物応用は、着実に普及拡大している。しかしその一方で、水道水フロリデーションの導入は、WHOをはじめ150以上の医学保健専門機関が推奨し約60か国で実施中で、その安全性と効果は80年以上にわたる実績が証明しているにもかかわらず行政や専門機関で検討議題には上がらない。
急速に進行する少子高齢化、それにともなう根面う蝕の増加、社会格差や健康格差、老老介護、認知症への対応など、課題は山積している。その時、地域におけるすべての人々の口腔の健康を考えた場合、ポピュレーションストラテジーの真髄と称される水道水フロリデーションを浮かべる歯科保健医療の専門家は、どれほどいるのだろうか。歯学教育で水道水フロリデーションについて十分な教育がなされているのか、と懐疑的な考えを抱いてしまう場面も少なくない。
第75回日本口腔衛生学会学術大会総会において、フッ化物応用研究奨励賞(ウォーターフロリデーションファンドアワード賞)が設立され、当会を代表して山本龍生理事長にその目録を贈呈する機会をいただいた。2027年度学術大会から、研究者はあらかじめ抄録提出時に同賞に応募することができる。
当賞が研究者の励みの1つとなり、フッ化物応用はもちろん水道水フロリデーションに関する研究の増加・活性化の一助となることで、地域におけるその実現へとつながることを願っている。