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2026年11月号掲載

歯科技工所番号制度は改革への第一歩

※本記事は、「新聞クイント 2026年11月号」より抜粋して掲載。

 2026年10月1日、歯科技工士法施行規則の改正により、全国統一の「歯科技工所番号」制度が開始された。今回、法令に基づき開設届出がなされた歯科技工所に固有の番号が付与されることにより、歯科医師が歯科技工を委託する際には、歯科技工指示書に委託先の番号の記載が必要となる。

 開設届出に関して、これまで無届の歯科技工所の存在が指摘されてきたほか、廃業後も廃止届が提出されていないなど、行政上の届出情報と実際の営業実態との乖離が課題となっていた。

 本会が2025年に実施した調査では、約2万か所に調査はがきを発送したところ、宛先不明などによる返戻が2,195件、営業実態がないとの回答が417件にのぼった。この結果は営業歯科技工所数を確定するものではないが、届出情報と営業実態の乖離が示唆される。

 本会は長年にわたり、全国の歯科技工所の届出状況の把握と、適切に識別できる仕組みの制度化を求めてきた。今回の制度開始は、そうした取組が1つの形となったものである。もちろんこれだけで諸課題が解決するわけではない。重要なのは、歯科技工指示書への記載を通じて委託先を明確にし、届出情報と営業実態の整合性を高めていくことだ。さらに、電子歯科技工指示書や歯科技工物のトレーサビリティなど、今後のデジタル化を支える基盤としても期待される。

 今回の制度はゴールではない。法令を遵守する歯科技工所が適正に評価され、歯科医療の質と安全を支える環境を整備するための、重要な第一歩なのである。