2024年10月号掲載
すべてのインプラントロジストに贈る
【PR】インプラントの世界の魅力を存分に楽しめる図鑑
※本記事は、「新聞クイント 2024年10月号」より抜粋して掲載。
小社2024年7月の新刊として『インプラント図鑑 視覚で巡るインプラントの世界』が刊行されました。本欄では、山﨑長郎氏(日本臨床歯科学会〔SJCD〕理事長)に、本書の見どころについて語っていただきました。(編集部)
既刊のインプラントの書籍とは一線を画す体裁で「すばらしい」の一言に尽きる
すばらしい書籍が上梓されたものだ。今までのインプラントの書籍とは一線を画すきわめて稀な体裁で、興味をそそられる内容となっている。従来の書籍と比較するとその違いが明確になってくる。なにより特徴的なのは、インプラントの歴史とその時代における文献が非常にうまく配列されている。また、ケースプレゼンテーションが中心の従来の書籍とはまったく異なり、過去から現在に至るインプラントの歴史の流れが本当に要領よくシンプルに、かつ重要なポイントをうまく掴んで、必要条件を十分に満たしたレイアウトになっており、とても読者フレンドリーである。
読者を飽きさせないインプラントの百科事典のようなレイアウトとデザイン構成
本書の魅力は書籍として読みやすいという非常に重要で著者たちが十分各々の分野に精通していて、この章では絶対にこれは外せない、あるいはこれは割愛できるという鑑別能力がすぐれているに他ならないからであろう。誠に上手く読者を飽きさせず読み通させている内容である。またインプラント分野で考えられるあらゆる内容が網羅されていて、何かインプラントの百科事典の様相を帯びている。
日本におけるインプラント治療のパイオニア的な乙部朱門先生との思い出
この図鑑をもう少し詳しく紐解いてみると、まずCHAPTER1のオッセオインテグレーションから始まり、なんとCHAPTER17のインプラント周囲炎まで内容は多岐にわたっている。すべてを解説するのは難しいが、筆者が特に目を引いたCHAPTERを順に進めて行ってみる。
CHAPTER1のオッセオインテグレーションは、筆者にとって思い出深いものである。それというのも、本書の編集に携わられた一般社団法人日本インプラント臨床研究会(CISJ:Clinical Implant Society of Japan サイエンス委員会)の創立者である故・乙部朱門先生は、筆者が開業前(50年前)に講演を拝聴し初めてインプラントというすばらしいものがあるのだと感銘を覚えた方であった。そんな因縁をこの文を綴りながら思い出した。
つづいてCHAPTER2からCHAPTER4は、インプラントのマテリアル、フィクスチャー、デザインについて、歴史的背景をふまえて簡潔にポイントを説明している。CHAPTER5からCHAPTER7は、実際の埋入前準備から埋入手術および即時荷重と治療の流れに沿って説明している。
CHAPTER8からCHAPTER11は、インプラント埋入に際して付加的手術(リッジプリザベーション、サイナスフロアエレベーション、GBR、軟組織マネジメント)を文献と症例をわかりやすく並べて解説している。
CHAPTER12は、デジタルデンティストリーで、現在もっとも注目されている分野でインプラントがいちばんデジタル化のトップを走っている。CHAPTER13は、インプラント補綴の咬合で、この分野は現在においても結論が導き出されていない。しかしながら、さまざまな角度と長い経験から1 つの答えを出している。
CHAPTER14の固定性補綴装置は、セメント固定vs スクリュー固定が興味深い。各々の長所と短所を比較している。CHAPTER 15 は、インプラントオーバーデンチャーで筆者自身があまり症例を経験していない分野であり、いちから勉強させていただいた章である。CHAPTER 16 とCHAPTER17 は、メインテナンスとインプラント周囲炎で、特に周囲炎のリカバリー手術は充実した症例と内容である。そして最後が非常に新鮮で役立つさまざまな分類と各インプラントフィクスチャーの詳細である。
膨大かつ必要不可欠なインプラントの知識がコンパクトにまとめられている
このように膨大な章であるが、あまり読者にとって重いものではなく意外とすんなり読み進めることができる。これはひとえにレイアウトがまさに図鑑であるからであろう。何にしても読み方は自由で、どの角度からも有益なインプラントに関する情報の要点がしっかりと押さえられていて利便性が高い。
最後に本書を担当した編集者へ、新しいインプラント本のデザインに賛辞を送りたい。
