2025年9月号掲載
#8 デービッド
※本記事は、「新聞クイント 2025年9月号」より抜粋して掲載。
本作品は、ケンタッキーフライドチキンの創業者として知られるカーネル・サンダースが、マクドナルドのハンバーガーとともにいます。看板商品のチキンではなくあえてライバルのハンバーガーを選ぶというユーモアを感じる構図ですが、この絵には「食べることの自由」や「人生の最期まで食べることの尊厳」という深いテーマが込められています。
私たちは普段「食べたいものを食べる」ことを当たり前だと感じていますが、医療や介護の現場では、それが簡単ではなくなる場面も多くあります。噛む力や飲み込む力が衰えると、食べられるものは制限され、「とろみをつける」「塩分を減らす」「やわらかいものにする」といった工夫が必要になります。もちろん、そうした配慮は命を守るために大切です。しかし同時に、「食べたいものを好きなように食べる」という自由は、私たちが人間らしく生きるために欠かせないものでもあります。