2014年2月8日掲載
「健康長寿につながるインプラント」をテーマに
公益社団法人 日本口腔インプラント学会 第33回 関東・甲信越支部学術大会開催

さる2月8日(土)、9日(日)の両日、京王プラザホテル(東京都)にて、公益社団法人 日本口腔インプラント学会 第33回 関東・甲信越支部学術大会(加藤仁夫大会長、渡邉文彦理事長)が、「健康長寿につながるインプラント」のテーマで開催された。
初日の8日はあいにくの悪天候で全国的に記録的な大雪を観測した。そのため、海外演者が会場に辿り着けないハプニングが発生し、インターネットを通じたサテライト中継で講演が進行した。しかし、その他のプログラムは滞りなく進められた。
特別講演、市民公開講座、口頭発表、ランチョンセミナー、シンポジウム、基調講演、専門医教育講座、ハンズオンセミナー、ポスター発表、専門歯科衛生士教育講座、専門歯科技工士教育講座、歯科衛生士セミナー、先端セミナー、共催セミナーなど多岐にわたるテーマについて議論された。
中でも、大久保満男氏(公益社団法人 日本歯科医師会会長)による基調講演「高齢社会における歯科医療の役割」では、歯科は生活を守る医療であり、命を守る医科と同等の重要性をもつと主張し、本邦において今後の歯科が進むべき道として、(1)がん連携および周術期口腔機能管理、(2)在宅歯科医療の推進、の2つが柱になると力説した。昨年トルコで開催されたFDI 2013(世界歯科学会議)でも絶賛されたとの前評判どおり、会場からは止まない拍手が送られ、好評を博した。
また、特別講演1「歯科医療クレームへの対応と未然防止」で登壇した佐藤哲治氏(株式会社ジャパンリスクソリューション)は、判例を供覧しながらクレームが生じるメカニズムについて説明した。反響のあった本講演の質疑応答では活発な意見交換がみられた。
最後は「高齢者に対するインプラント治療」という本大会のテーマに合致した教育シンポジウムが行われ、成功裏に閉幕した。
「健康長寿とインプラント」という課題に真正面から取り組んだ今大会では、多くの議題が咀嚼および咬合と脳の関連やサクセスフルエイジングについて割かれ、超高齢社会を迎えた日本において、インプラントが担える重要な役割がまだ残されている可能性の一端を示した。