社会|2025年11月4日掲載

アライナー矯正治療の質を保証し歯科医師の学びの場を提供する場を目指して

アライナー矯正認証協会(ABAO)日本支部 設立シンポジウム開催

アライナー矯正認証協会(ABAO)日本支部 設立シンポジウム開催

 さる11月3日(月)、アライナー矯正認証協会(ABAO)日本支部 設立シンポジウム(賀久浩生会長)が、「患者に安心を、ドクターに誇りを。」をテーマに、きらめきデンタルクリニック(愛知県)の現地およびWeb配信にて開催され、あわせて230名以上が参集した。

 同協会は、マウスピース型矯正装置を含む矯正歯科治療を手掛ける有志により立ち上げられたもので、近年日本において一般化したアライナー矯正治療の質を確保するために、アライナー矯正治療技術の標準化および社会的信頼の確立を設立主旨としている。また目指す取り組みとして、患者にとってわかりやすい術者の選択基準となる「認証制度」、治療技術のレベルアップと次世代の育成を図る「教育プラットフォーム」、アジア太平洋(APAC)地域における各種学会や教育機関などと協業し矯正歯科医療を発展させる「社会貢献」の3本を挙げている。

 まず、会長の賀久氏(東京都開業)が「世界基準のアライナー矯正を日本から」と題し、本協会の設立主旨を述べた。氏は、前日にワールドシリーズ連覇を果たした米国大リーグのロサンゼルス・ドジャースおよび日本人選手の活躍にふれつつ、「日本だけが活躍の場でないことを見せてくれた。われわれも日本だけではなく世界基準でやってみないと、自分たちがどこにいるのか、どこまでできるのか知ることができない。そうした動きを日本から始めたい」として、海外、特にアジアの著名なアライナー矯正治療の専門家・実力者とも協力しつつ、同協会の活動を進めていくとした。

 また基調講演として、「日本で必要とされる認証制度」と題し有本博英氏(大阪府開業)が登壇した。氏は、アライナーは術者が使い方や知識を適切にもっていれば矯正装置として有益なものであるはずだが、少なからず集客の手段とされたために症例増加に治療の質が追いついていない現状から、本協会および認証制度の設立に至ったとの経緯が述べられた。なお認証制度については、EBAO(ヨーロッパアライナー矯正学会)の認証制度などを参考にしながら、歯科医師向け・スタッフ向けの両方を構築していく旨が説明された。

 その他に、シンポジウム1「アライナー矯正のおかれている現状」に間所 睦氏(東京都開業)、竹内敬輔氏(愛知県開業)、東野良治氏(東京都開業)、坂本紗有見氏(ファシリテーター、東京都開業)が、シンポジウム2「EBAO取得合格基準を満たした症例」に秋山裕子氏(千葉県開業)、村上久夫氏(長崎県開業)、岩田直晃氏(ファシリテーター、東京都開業)が、シンポジウム3「高度なアライナー矯正」に牧野正志氏(千葉県開業)、五十嵐祐二氏(東京都開業)、青木泰樹氏(ファシリテーター、愛知県開業)が、シンポジウム4「アライナー矯正の昔と今」に佐本 博氏(東京都開業)が登壇し、またシンポジウム5「ABAOが切り開く未来」に賀久氏、佐本氏、竜 立雄氏(福島県開業)、東野氏、岩田氏が登壇し、有本氏がファシリテーターとなって今後の展望を語る対談が行われた。

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