2014年11月29日掲載
「保健と医療のベストミックス~8020運動における歯科医療の役割」をテーマに
8020推進財団、第12回フォーラム8020を開催
さる11月29日(土)、歯科医師会館において、第12回フォーラム8020(公益財団法人8020推進財団主催)が、「保健と医療のベストミックス~8020運動における歯科医療の役割」をテーマに開催された。
山科 透氏(8020推進財団副理事長)による挨拶のあと、武見敬三氏(参議院議員)による基調講演「健康長寿に向けた医療政策~健康長寿に向けた歯科医療提供体制への期待と課題~」が行われた。武見氏は、国民皆保険制度導入50周年を迎えた2011年に自身が委員長を務めた医学雑誌『ランセット』の日本特集号に触れながら、貧富の格差を減少させて効率的に長寿社会を実現したわが国の保健政策について詳説。また、健康寿命を延伸させるための歯科の果たす役割や、地域完結型の包括ケアシステムの充実、地方自治体の保健政策人材の育成など、多岐にわたる内容が展開された。
引き続き、宮地建夫氏(東京都開業)による講演1「歯科医療の歯の喪失防止効果」、中山健夫氏(京大大学院教授)による講演2「患者さんの声〈ナラティブ〉とエビデンス:期待される口腔保健情報」、佐藤 徹氏(日本歯科医師会常務理事)による講演3「地域歯科保健と歯科医療をどうつなげるか」、深井穫博氏(8020推進財団専務理事)による講演4「データの蓄積をどう図るか」がそれぞれ行われた。
その後、深井氏の座長のもと、今回のテーマとするシンポジウムが開催され、山科副理事長と武見氏を除く3名の演者が登壇。8020運動における歯科医療の役割について、平均寿命と健康寿命の差を縮小させるために臨床家の視点を入れた8020運動の議論や、生活の視点で患者さんを診る大切さ、これからの地域保健と歯科医療の目指す方向性など、フロアからもさまざまな意見が出された。