2017年3月5日掲載
歯科内外を問わず220名の多職種が参集し、熱気あふれる一日に
第34回公衆歯科衛生研究会(ネコの会)開催

本会は、地域歯科保健活動に従事している歯科医療者をはじめ、医師や管理栄養士、養護教諭、保育士、教師などの多職種による情報交換の場として活動が続けられている。年々参加希望者が増えており、今回は過去最大規模となる220名もの多職種が参集したうえに、キャンセル待ちが発生する事態となった。当日は、口の筋肉を鍛えて競う「くちビルダー」のグループワークに始まり、特別講演、教育講演、ミニ講演など盛りだくさんの内容で進行した。
特別講演では、増田純一氏(佐賀県開業)と河原英雄氏(大分県開業)の2名が登壇し、それぞれ「噛む」をテーマとした講演が行われた。増田氏は、噛むことに関する4つの側面として、(1)食べること、(2)顎位の安定・姿勢、(3)脳の活性化、(4)コミュニケーションについて紹介したうえで、「噛むことはその人の人間力を高める」と強調した。
続いて河原氏は、摂食・嚥下といっても後者しか見られていない現状を指摘したうえで、嚥下は咀嚼の結果であり、特に前歯で噛むことの重要性を解説。また、患者に義歯を入れる際には、必ず義歯で食べているようすを観察しなければならないということを、自身の症例をふまえて示し、参加者の共感を集めた。