2019年3月13日掲載
世界各国のインプラントロジスト約1,500名が米国首都ワシントンD.C.に参集
AO 2019 Annual Meeting開催

1日目のコーポレートフォーラムの後のすべてのプログラムには、チェアマンのFranck Renouard氏(フランス開業)によってヨーロッパの保守的要素が盛り込まれた。
2日目のオープニングシンポジウム(モデレーター:Steven Eckert氏、AOの公的機関誌「JOMI」編集長)では、「Reconsidering the Status Quo(現状の再考)」をテーマに、
・整形外科領域でのオッセオインテグレーションからなにを学んだのか?
・インプラント歯科学:昔は良かったか?
・インプラント歯科学において文献はどのように有効的なのか?
・われわれは印象材料と咬合器を捨てられるか?
・臨床医にとってなにが人的要因として残るのか?
などの疑問に対しての講演が行われた。
3日目は、10年後の外科の足跡として、垂直的骨造成、水平的骨造成、リッジプリザベーション、上顎フルの再建、サイナスオグメンテーション、ソフトティッシュオグメンテーション、成長因子を用いた造成などについて、補綴の足跡として、ジルコニアの補綴、スクリュー固定の補綴、隣接したインプラントを連結するのかしないのか、インプラント周囲組織の改善、オーバーデンチャーなどについて検証された。
3日目終了後には、プレジデント(James C. Taylor氏)レセプションパーティーが、夜の博物館でひとりでに動き出した展示物たちによる騒動を描いた『ナイト ミュージアム2』で有名な世界最大のスミソニアン自然史博物館にて行われ、参加者一同最高の時を過ごした。
4日目は、ライフステージをとおしての無歯顎症例として、10歳前から、30歳、60歳、90歳とそれぞれの年代における適応症について述べた。
4日間の締めとしてのクロージングシンポジウムでは、複雑な臨床のマネージメントとして、即時荷重、骨造成におけるPRFの活用、生物学的な骨造成、審美的なインプラントの再建におけるデジタルワークフローなどについて語られた。
なお、Clinical Innovations部門では竹林 晃氏(医療工学研究所)が「歯科用コーンビームCTにおけるメタルアーチファクトを読むための方法」でBest Presentation Awardを受賞し、日本の研究者のレベルの高さを世界に示した。