2019年7月15日掲載
「予知性の高いインプラント治療をめざして」をテーマに
COLLOQUIUM in 2019開催

最初に3Shape招待講演が行われ、3Shape社の口腔内スキャナであるTRIOS3の開発に携わったLuis Cuadrado氏(スペイン、UDIMA大)が登壇した。口腔内スキャナを用いたデジタルワークフローによる歯科医療の進化を中心に論じ、多くの症例を供覧した。
次いでFINESIAクリニカルセッション1が行われた。まず吉野 晃氏(東京都開業)が登壇し、FINESIAインプラントが有する独特なスレッド形状が骨に及ぼす影響を骨配向性という観点から論じた。米澤大地氏(兵庫県開業)はさまざまなメーカーのインプラントの表面性状、デザイン、メーカーの推奨するドリルプロトコルを列挙し、それぞれの特徴について考察した。
昼食をはさみ行われた一般講演では、杉山健太郎氏(千葉県開業)、古屋英敬氏(東京都開業)、坂巻良一氏(千葉県開業)が登壇し、低侵襲治療やインプラント周囲炎などについて講演された。
最後のセッションとなるFINESIAクリニカルセッション2では、まず丸尾勝一郎氏(東京都開業)が登壇し、口腔内スキャナを用いたフルデジタルインプラント治療について論じ、技工物の作製時間の短縮、印象作業の効率化などの口腔内スキャナのメリットをコスト面から解説した。皆川 仁氏(東京都開業)は、安心安全なインプラント治療を行うための手法としてサージカルガイドについて解説。ただガイドを用いるのではなく、正確に正しい埋入を行うための臨床的なポイントを氏の考案したオクタゴンガイドラインに基づき詳説した。最後の演者となる林 美穂氏(福岡県開業)は、FINESIAインプラントが有するボーンレベル、ティッシュレベルの形態それぞれの特徴について述べ、臼歯部ではメインテナンス性を考慮してティッシュレベルを用い、審美領域ではボーンレベルを深め埋入とするなどの使い分けについて自身の症例を通じて述べた。症例を供覧する中では、臼歯部インプラントの上部構造をセメント固定する際に、余剰セメントによって炎症を引き起こしてしまった例なども赤裸々に語り、予知性を考えた上部構造の固定法についても述べた。