2021年10月19日掲載
呼吸器内科医・吉松由貴氏を招聘
S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会)、Webセミナーを開催
吉松氏は講演の中で、日常診療で携わる高齢者の肺炎の多数が誤嚥性肺炎であることを指摘したうえで、高齢者の嚥下機能低下への配慮についてわかりやすく解説。経口摂取の条件についてもふれ、誤嚥した場合でもこまめな口腔ケアや栄養状態の改善、肺炎球菌ワクチンなどの接種によって肺炎にさせないことの大切さを説いた。また、経口摂取の考え方についてもふれ、「食べられない理由をみつけるのではなく、どうすれば食べられるようになるかを考えることこそ医療従事者の使命」と強調。そのためには、多職種によるチームで情報を共有し、地域につなぐことの重要性を訴えた。
その後、牟田晃洋氏(福岡県開業)によるメンバー講演「訪問歯科におけるCOPD患者の口腔管理」が行われた。訪問歯科医の牟田氏が遭遇する現場の疑問に対して症例を供覧しながら、吉松氏が呼吸機能の見立てや誤嚥性肺炎予防のポイントを交えて答えるなど、訪問診療に携わる歯科医療従事者にとって多くのヒントを得られる機会となっていた。
なお、次回はきたる11月16日(火)、外部講師に松尾浩一郎氏(医歯大大学院医歯学総合研究科教授)を招聘し、「高齢者歯科医療の臨床眼」をテーマに開催される予定。