2023年2月23日掲載
「マイスターが考える新時代の歯科医療 2040年の歯科の姿を思い描く」をテーマに
株式会社ヨシダ、第3回HaBon特別オンラインセミナーを開催

本セミナーでは、相田 潤氏(医歯大教授)、奈良嘉峰氏(神奈川県開業)、齋藤 淳氏(東歯大教授)、天野敦雄氏(阪大教授)の4名が講演した。
まず相田氏は、「今見直す、根拠に基づいた医療(EBM)とフッ化物応用」と題し、日本においてう蝕は減っていると思われているが、実際にはまだ約3割の人が未処置のう蝕を有していると統計資料を基に説明し、この現状を改善するためにはフッ化物洗口とフッ化物配合歯磨剤の使用が有効であると強調した。
次に奈良氏は、「医院で取り組む、歯周組織再生療法の実際」と題して自院での歯周基本治療と歯周組織再生療法の術式と術後管理について述べた。具体的には、歯周組織再生療法の、患歯レベル、患者レベルでの適応症や使用器材を含めた術式と術後管理のポイントを自身の症例をもとに詳しく解説した。
また、齋藤氏は、「細菌検査は歯周組織に何をもたらすか」と題して、歯周病の原因となる細菌叢についてと、細菌検査と抗菌療法の現状、宿主要因のはたらきを制限する歯周病治療薬ができる可能性について述べた。
最後に登壇した天野氏は、「2040年問題に挑む近未来の歯科医療 日本歯科医学会『2040年への歯科イノベーションロードマップ』」と題して、中世から現代にいたる世界と日本の歯科医療の歴史を説明したうえで、日本歯科医学会が作成した2040年への歯科イノベーションロードマップである「ミライのシカイ」を紹介した。そして、令和の歯科医院は痛くなったら行くところではなく、“健口”になりに行くところであり、患者さんの、かかりつけ歯科医院のMyハイジニストになろうと呼びかけた。
セミナーの最後には、質疑応答の時間が設けられ、天野氏が紹介した歯磨剤の成分であるクルクミンについての質問が出るなど盛況のうちに終了した。