学会|2025年5月20日掲載

基礎から臨床までを幅広く取り上げた11演題、ポスター8題が並び盛況に

日本臨床歯科学会、第10回総会・学術大会を開催

日本臨床歯科学会、第10回総会・学術大会を開催

 さる5月18日(日)、電気ビルみらいホール(福岡県)において、日本臨床歯科学会第10回総会・学術大会(土屋賢司大会長、中島圭治実行委員長、山﨑長郎理事長)が開催され、日本全国から約250名が参集し盛会となった。

 会場ではまず、総会として本年度と来年度の活動報告や審議事項についての採決が円滑に行われた後、11題の講演が行われた。以下に演題・演者を示す(講演順)。

1)教育講演「MSEの適応症を考える」安藤裕章氏(愛知県開業)
2)講演(研究)「下顎運動データを用いて製作した臼歯ジルコニアクラウンの臨床的評価」柏木 了氏(秋田県開業)
3)講演(研究)「日本人の成人における上唇小帯の付着位置と正中離開の関連性についての研究」斎藤隆輔氏(秋田県開業)
4)講演(研究)「歯の色合いの好みに対する性別と年齢の影響について」池畠光朗氏(兵庫県開業)
5)講演(技術紹介)「抜歯即時埋入の術式を臨床例から考察する」中島圭治氏(佐賀県開業)
6)講演(研究)「CAD/CAM二ケイ酸リチウムインレーの窩洞適合性に影響を及ぼすレジンセメントのレオロジー特性」新妻由衣子氏(昭和医科大学歯科病院)
7)講演(研究)「顎関節症と心理社会学的要因に関する研究~ながはま0次コホート事業」浅井啓太氏(京都府開業)
8)講演(臨床)「上下顎両側遊離端欠損および咬合高径の低下を認める患者にインプラントを用いて咬合再構成を行った症例」黒住琢磨氏(大阪府開業)
9)講演(臨床)「多数歯欠損患者に対しデンタルインプラントを固定源に用いて矯正治療を行った一症例」勝部義明氏(大阪府開業)
10)講演(臨床)「不安定な顎位と不整な咬合平面を有する患者に行ったデジタル技術を用いた咬合再構成」木村正人氏(岡山県開業)
11)講演(臨床)「前歯部欠損におけるシングルリテーナーRBFDPの有用性」飯田真也氏(愛知県開業)

 なかでも、安藤氏のMSE(maxillary skeletal expander;上顎骨格拡大装置)についての講演では、MSE単独で行った48症例についてセファロ分析を基に詳細に解説。成長期以降の患者に対する外科的介入を回避できる治療法として、MSE適応の有効性を示した。

 基礎から臨床までを幅広く取り上げた本大会。いずれの講演においても高度な臨床レベルに加えて学術的な考察がなされており、学会化されて10年目となる同学会の発展が感じられる内容となっていた。なお会場では、ポスターセッション8題もあわせて行われ、盛況となっていた。

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