学会|2025年5月20日掲載

「補綴の未来、歯科の未来。不易流行(変わらないもの、変えていくもの)」をメインテーマとして

(公社)日本補綴歯科学会、第134回学術大会を開催

(公社)日本補綴歯科学会、第134回学術大会を開催

 さる5月16日(金)から18日(日)の3日間、出島メッセ長崎(長崎県)において、公益社団法人日本補綴歯科学会第134回学術大会(村田比呂司大会長、窪木拓男理事長)が「補綴の未来、歯科の未来。不易流行(変わらないもの、変えていくもの)」をメインテーマとして開催された。現地での開催に加えて、一部のプログラムはWeb配信(ライブ配信および後日オンデマンド配信)も行われ、現地・Web配信ともに多数の参加者が集い、盛会となった。

 2日目に行われた特別シンポジウム「新たな時代に対応した無歯顎補綴臨床の展開」では、大会長の村田氏が座長を務め、杉田龍士郎氏(千葉県開業)、松田謙一氏(大阪府開業)、中居伸行氏(京都府開業)が登壇した。現在の無歯顎患者における新たな問題として高齢化による難症例の増加がある。それをふまえ、杉田氏は無歯顎補綴を行う際の患者要因・解剖学的条件の評価方法と手法の選択について、松田氏は全部床義歯難症例において治療を難しくしている要因の分析とそれに対応するうえでの考え方・臨床手技について、中居氏は高齢者に対するインプラントオーバーデンチャーおよび固定性インプラント義歯の有効性と妥当性について、それぞれ症例を交えながら講演を行った。

 また、2日目午後には、日本補綴歯科学会と日本顎咬合学会の連携協定の調印式が行われ、続いて日本顎咬合学会・日本補綴歯科学会合同シンポジウム「咬合挙上を再考する」が、馬場一美氏(昭和医科大学)と貞光謙一郎氏(日本顎咬合学会理事長)の座長のもと、窪木氏、山下秀一郎氏(東京歯科大学)、渡辺隆史氏(福島県開業)をシンポジストに迎えて行われた。

 3日目に行われたシンポジウム10「IRPD―インプラントの併用は部分床義歯治療のゲームチェンジャーになるのか?―」では、大久保力廣氏(鶴見大学)と兒玉直紀氏(岡山大学)の座長のもと、黒嶋伸一郎氏(北海道大学)、奥野幾久氏(大阪府開業)、佐藤洋平氏(鶴見大学)が登壇し、IRPD(Implant Removable Partial Denture)の現時点でのエビデンスと臨床応用について症例を示しつつ解説した。

 そのほかにも、「可撤性床義歯―知と技と美の融合―」をテーマに、歯科医師と歯科技工士がペアとなり症例発表を行う臨床コンペティション、若手会員による応募のなかから選ばれた7題のイブニングセッション、ハンズオンセミナー、日中韓3か国補綴歯科学会・セミナー、国際シンポジウムなど、多彩なプログラムが企画された。

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