学会|2025年5月21日掲載

世界中から150名を超える歯周病・インプラント分野の講演者が登壇

EuroPerio11開催

EuroPerio11開催

 さる5月14日(水)から5月17日(土)の4日間、Messe Wien Exhibition & Congress Center(オーストリア・ウィーン)において、EuroPerio11(EFP:European Federation of Periodontology主催、Anton Sculean組織委員会委員長)が開催された。EuroPerioは歯周病およびインプラント分野における世界有数の学会であり、3年に一度ヨーロッパの主要都市で開催されている。

 今回は4日間にわたり多くのセッションが行われ、同時間帯に最大10か所でセッションが行われるほどの規模の大きさであった。本会の目玉でもあるライブサージェリーが2日目から4日目にわたり計3回行われた。2日目はMartina Stefanini氏(イタリア・ボローニャ大学)による歯周組織再生のためのCTGウォールテクニックを用いた手術、3日目はGiles de Quincey氏(スイス・ベルン大学)が3Dチタンメンブレンを用いたGBR手術、4日目はSofia Aroca氏(フランス)がインプラント埋入時の軟組織管理をテーマにした手術を行った。本セッションでは斯界のトップランナーらの手術を実際に見ることができる貴重な機会であり、4,000人が収容できるメイン会場が埋まるほどの盛況となった。

 3日目に行われた骨欠損部における歯周組織再生への新たなアプローチと題したセッションでは、Serhat Aslan氏(トルコ開業)がmodified-EPPTについて、Guilio Rasperini氏(ミラノ大学)が歯周組織と軟組織を同時に再生させるための生体材料の活用やCA-EPPテクニックについて講演を行った。2,000名ほどが収容できる会場であったが、立ち見が出るほどの注目を集めていた。

 今回、日本人では白方良典氏(鹿児島大学)、福場駿介氏(東京科学大学)、渡邉泰斗氏(日本大学)らが講演を行い、それぞれ研究、臨床において世界に向けて大きなアピールとなっていた。

 その他にも「臨床危機を乗り越える」といった、失敗症例を基にしたリカバリーに関するセッションも注目を集めるなど、実臨床の参考になる講演が散見された。本会は歯の保存に関するテーマが多く、日本の歯科界と共通する考え方が多いように思われた。また、本会は10,000名以上が参集したが、会場を見渡すと半数は女性の参加者であり、その点に日本で行われる学会や講演会との違いを感じた。次回のEuroPerio12は、きたる2028年5月10日(水)から13日(土)の4日間、ドイツのミュンヘンにおいて開催される予定である。

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